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キューバ大停電、ハバナの防波堤で暑さをしのぐ人々、熱帯夜続く

慢性的な電力不足により冷房や扇風機が使えず、自宅で眠ることが困難となった住民が海風を求めて屋外へ集まり、エネルギー危機が市民生活に深刻な影響を及ぼしている実態が浮き彫りとなっている。
2026年7月14日/キューバ、首都ハバナの海岸に座る男性(AP通信)

カリブ海の島国キューバでは全国規模の大規模停電が相次ぐ中、首都ハバナの住民が猛暑をしのぐため、海沿いの遊歩道や防波堤で一夜を過ごす光景が広がっている。慢性的な電力不足により冷房や扇風機が使えず、自宅で眠ることが困難となった住民が海風を求めて屋外へ集まり、エネルギー危機が市民生活に深刻な影響を及ぼしている実態が浮き彫りとなっている。

8月3日の停電は今年に入って6回目となる全国規模のブラックアウトとなった。国営電力会社によると、送電網が全面停止し、復旧作業を進めているものの、多くの地域で停電が続いている。キューバでは3月に2回、7月に3回ブラックアウトが発生、電力供給は極めて不安定な状態が続く。計画停電は1日20時間を超える地域もあり、日常生活や経済活動に大きな影響を与えている。

ハバナでは夜になっても気温が高く、湿度は80%に達する。停電当日の最高気温は34度だったが、体感温度は41度に達し、風通しの悪い住宅では睡眠を取ることさえ難しい状況となった。

このため、多くの市民がマットを持参し、海風が吹き抜ける海沿いの遊歩道に向かった。建設作業員の男性はAP通信の取材に対し、「状況は悪くなる一方だ。電気が戻っても、また停電になればここで眠るしかない」と語り、体育教師の女性も「停電はもう起きないかもしれないと期待した矢先に、また停電した。先が見えない」と不安を口にした。

背景には深刻なエネルギー危機がある。トランプ米政権は今年1月以降、キューバへの石油供給を事実上遮断する措置を講じ、燃料不足が一段と深刻化した。長年続く米国の経済制裁に加え、老朽化した発電・送電設備、慢性的な燃料不足が重なり、国内の電力システムは限界に達している。共産党は復旧を急ぐ一方で、抜本的な改善策は示せておらず、停電の再発が常態化している。

停電の影響は生活のあらゆる場面に及ぶ。冷蔵庫が使えないため食料の保存が難しく、貴重な冷凍食品も保存できない。燃料不足で公共交通機関は大幅に減便され、病院では非常用電源や太陽光発電設備への依存が強まっている。さらに、観光業も低迷が続き、多くの国民が収入源を失うなど、経済全体への打撃も拡大している。

キューバの人々は長年、物資不足や経済制裁の下で生活し、困難な状況に適応してきた。しかし、近年は電力危機と経済悪化が重なり、将来への希望を失う市民が増えている。海風を頼りに防波堤で夜を明かす光景は、同国が直面する深刻なエネルギー危機と生活苦を象徴しており、安定した電力供給の回復と経済再建への道筋は見通せない状況が続いている。

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