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キューバ、経済危機で市場改革を加速、通貨暴落と物価高で安定遠く

キューバでは新たな市場改革が始まる一方、賃金の伸びは物価上昇に追いついていない。
2026年9月17日/キューバ、首都ハバナの通り(ロイター通信)

キューバで国営銀行の現金不足と物価高が深刻化している。首都ハバナでは現金を引き出すため早朝から銀行前に長い列ができ、1日の引き出し上限である2万ペソを求めて多くの市民が順番を待っている。停電やインターネット障害によって銀行業務が停止する可能性もあり、高齢者を含む市民は朝早くから銀行に並ぶ状況となっている。

背景には、キューバ・ペソの急落と急激な物価上昇がある。ペソは9月17日、非公式市場で1ドル=700ペソとなり、2021年から約10分の1まで価値を失った。キューバ国家統計局によると、2026年1~8月の消費者物価指数(CPI)は前年同期比で25%以上上昇した。公式統計には急速に拡大する非公式市場の価格が十分反映されていないため、実際のインフレ率はさらに高いとの見方も経済学者から出ている。

燃料価格の上昇も家計を圧迫している。トランプ政権が1月にキューバへの石油輸入を遮断する措置を取った後、燃料価格が急騰し、その後落ち着いたものの、高オクタン価ガソリンは1リットル当たり2~3ドルと、世界平均の約1.57ドルを大きく上回っている。食料や燃料、医薬品の不足が長期化する中、現在では「物がないこと」以上に「物価が高すぎて買えないこと」が問題だと訴える市民もいる。

こうした経済危機を受け、1959年の革命以降、共産主義体制を維持してきた共産党は市場経済を取り入れる改革を進めている。9月には1万ペソと2万ペソの高額紙幣を新たに発行したほか、中央銀行が為替を管理してきた従来の制度を変更し、国内初となる民間の両替所を認可した。中銀は合法的な民間両替市場を設けることで為替レートの透明性を高め、投機を抑える狙いがあるとしている。

ただ、ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領はこうした改革について、社会主義を放棄するものではなく、米国の制裁による経済的圧力に対応するための措置だと説明している。

キューバでは新たな市場改革が始まる一方、賃金の伸びは物価上昇に追いついていない。食料の供給が改善している地域でも価格が日々大きく変動するなど、市民生活の安定にはなお時間がかかる状況だ。

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