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キューバ、ディーゼル燃料と重油枯渇、米封鎖で絶体絶命

共産党は国営メディアを通じ、「重油もディーゼルも全く残っていない。国家電力網は危機的状態にある」と述べた。
2026年4月22日/キューバ、首都ハバナの通り(AP通信)

キューバ政府は13日、国内のディーゼル燃料と重油の備蓄が完全に枯渇したと明らかにした。首都ハバナでは大規模な計画停電が続いており、公共交通機関や物流網にも深刻な影響が広がっている。共産党は国営メディアを通じ、「重油もディーゼルも全く残っていない。国家電力網は危機的状態にある」と述べた。

今回の燃料危機の背景には、米国による対キューバ制裁の強化がある。トランプ政権は今年1月、キューバ向けの石油輸送や燃料供給に対する圧力を強め、石油を輸出する第三国や企業に追加関税や制裁を科す方針を打ち出した。これにより、従来キューバへ石油を供給していたベネズエラやメキシコなどが輸送を停止し、エネルギー事情が急速に悪化した。

キューバ経済は慢性的な外貨不足に直面しており、燃料の大半を輸入に依存している。特に発電用重油や輸送用ディーゼルの不足は電力供給と生活インフラを直撃している。ハバナでは長時間停電が常態化し、病院や学校、商店なども非常用発電機に頼る状況が続く。燃料不足によってゴミ収集車の運行も滞り、市内ではゴミの山が放置されるなど、公衆衛生面への懸念も強まっている。

政府は危機対応として、15日からガソリンや軽油の価格を市場環境に応じて変動させる新制度を導入する。これまで国が固定していた燃料価格を見直し、輸入コストを販売価格へ反映させる狙いだ。しかし、国民の購買力は著しく低下している中、闇市場では燃料価格が公定価格の数倍に高騰しているとされる。

一方、国連は13日、米国による燃料封鎖がキューバ市民の人権や生活基盤を脅かしているとして懸念を表明した。声明では、燃料不足によって食料供給や医療、水道システムにも深刻な影響が出ていると指摘し、「エネルギー飢餓」とも呼べる状況だと批判している。

キューバ政府は米国との対話継続を模索しているものの、制裁解除の見通しは立っていない。ロシアからの石油輸送も限定的で、燃料不足が短期的に解消される兆しは乏しい。長引く停電と物資不足に対する国民の不満は高まっており、経済危機が社会不安へ発展する可能性も指摘されている。

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