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米CIA長官がキューバ訪問、政府高官と会談

キューバ国内では長時間停電が常態化し、冷蔵設備の停止による食料損失や労働時間短縮など、市民生活への影響が拡大している。
2026年4月6日/米ワシントンDCホワイトハウス、CIAのラトクリフ長官とトランプ大統領(AP通信)

米中央情報局(CIA)のラトクリフ(John Ratcliffe)長官が14日、キューバの首都ハバナを訪問し、ラウル・カストロ(Raul Castro)前第1書記の孫であるラウル・ギレルモ・ロドリゲス・カストロ(Raúl Guillermo Rodríguez Castro)氏ら政府高官と会談した。米国とキューバの双方が会談の実施を認め、長年対立関係にある両国による異例の高官協議として注目を集めている。

会談には内相や情報機関トップも参加し、情報協力、経済安定、安全保障問題などについて意見交換が行われた。CIA当局者によると、ラトクリフ氏はトランプ(Donald Trump)大統領のメッセージを直接伝えるために訪問し、「キューバが抜本的な改革を実施するのであれば、米国は経済や安全保障分野で真剣に関与する用意がある」と説明したという。

これに対しキューバ側は、同国が「米国の安全保障上の脅威ではない」と主張し、米国がキューバをテロ支援国家指定から外していないことに不満を示した。キューバ政府の声明は、今回の協議が「複雑な二国間関係を背景に実施された」と表現しており、双方の立場の隔たりは依然大きいことをうかがわせた。

ロドリゲス・カストロ氏は公職経験こそないものの、祖父ラウル・カストロ氏の護衛を務めた後、キューバ版シークレットサービスの責任者を務めた実力者として知られる。今年2月にはカリブ共同体(CARICOM)首脳会議の際にルビオ(Maro Rubio)米国務長官と秘密裏に接触していたことも報じられている。

今回の訪問は深刻な燃料不足と電力危機に直面するキューバ情勢とも密接に関係している。米国はキューバへの制裁を強化、特に燃料輸送への圧力によって同国経済は悪化している。キューバ国内では長時間停電が常態化し、冷蔵設備の停止による食料損失や労働時間短縮など、市民生活への影響が拡大している。

米政府は今週、キューバ政府が受け入れる場合には1億ドル規模の人道支援や衛星インターネット提供を行う用意があると表明した。一方でトランプ氏は強硬姿勢も崩しておらず、1月にはキューバへ石油を供給する国に対して関税を課す可能性を示唆している。トランプ氏は軍事介入の可能性にも言及していたが、AP通信によると、現時点で差し迫った軍事行動の兆候はないという。

CIA長官によるキューバ訪問は極めて異例であり、2016年以来、グアンタナモ米海軍基地以外に米政府専用機がキューバへ飛来した数少ない事例となった。対立と接触を繰り返してきた米国とキューバの関係が、新たな局面を迎える可能性がある。

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