米軍、中南米の「麻薬密輸船」攻撃を陸上に拡大、各国と合同作戦展開へ
ヘグセス国防長官は先週、パナマ訪問中にコロンビア、グアテマラ、ホンジュラスが自国領内で米軍と合同軍事作戦を実施することに同意したと発表した。
.jpg)
米軍が中南米で展開してきた麻薬密輸船への攻撃を、陸上での軍事作戦に拡大しようとしている。トランプ政権は過去1年間、カリブ海と東太平洋で麻薬密輸に関与したとする船舶を相次いで攻撃し、200人以上を殺害した。今度は同様の強硬策を陸上でも進め、犯罪組織や麻薬カルテルを直接標的にする構えだ。
ヘグセス(Pete Hegseth)国防長官は先週、パナマ訪問中にコロンビア、グアテマラ、ホンジュラスが自国領内で米軍と合同軍事作戦を実施することに同意したと発表した。ただし、グアテマラ政府はこれを否定している。エクアドルは3月から米国との合同作戦を開始している。ヘグセス氏はパナマ沖での軍事演習で、麻薬密輸船への攻撃と同じ効果を陸上でも実現し、米国がテロ組織に指定した犯罪集団との戦いを進める考えを示した。
トランプ政権は2025年9月以降、麻薬を運搬していると主張する小型船への攻撃を続けてきた。死者は200人を超える一方、米政府は標的となった船が実際に麻薬を運んでいたことを裏付ける証拠を公表していない。攻撃の法的根拠や有効性をめぐっては、国際的にも強い批判が出ている。
今回の陸上作戦への拡大は、トランプ政権が掲げる「西半球での米国の優位」を安全保障政策の柱として強めていることを示す。政権は中南米の麻薬カルテルやギャング20団体を外国テロ組織に指定し、ベネズエラへの部隊派遣やメキシコでのCIA(中央情報局)による作戦を行ってきた。
一方、各国の反応は一様ではない。米国との協力を進める右派政権がある一方、メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領やグアテマラのアレバロ(Bernardo Arévalo)大統領らは、自国領内での米軍の活動に慎重な姿勢を示している。
専門家からも、主権への干渉と受け止められれば反発を招き、武装勢力が民間人に紛れることで民間人被害が拡大する恐れがあるとの指摘が出ている。海上攻撃で多数の死者を出した米国の麻薬対策は、陸上への展開によって新たな段階に入ろうとしている。
