◎ムナンガグワ大統領は医療従事者の流出を「人身売買に匹敵する犯罪行為」と呼んでいる。
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ジンバブエ政府は6日、外国企業などによる自国の医療従事者の引き抜きや採用を禁じる法律を施行すると発表した。
大統領府の報道官は声明で、「これは我が国の医療システムを保護する取り組みのひとつであり、長年の課題であった医療従事者の国外流出を防ぐことを目的としている」と述べた。
ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領は医療従事者の流出を「人身売買に匹敵する犯罪行為」と呼んでいる。
報道官は「ジンバブエの貴重な医療従事者、人的資源を奪う犯罪者に厳しい罰則を科す」と述べている。
「医療従事者を奪い、ジンバブエ人を苦しめることは人道に対する罪に相当します。医療従事者不足で多くの市民が亡くなっていることを鑑み、犯罪組織を取り締まる法案を提出することとしました...」
報道官は医療従事者の引き抜きを「凶悪犯罪」「重大な人権侵害」と呼んだ。
地元メディアによると、2021年2月以降、4000人以上の看護師と医師がジンバブエを離れたという。その多くがイギリスに移住し、職務に当たっている。
英国民保健サービス(NHS)の賃金はジンバブエの医療機関よりはるかに高い。
世界保健機関(WHO)は先月、医療従事者不足に直面している国を公表。ジンバブエもレッドリスト入りした。
これを受け、イギリス政府はジンバブエの医療従事者採用を停止した。
ジンバブエの医師会によると、同国の医師数は昨年末時点で約3500人。人口1000人当たり0.23人と極めて少ない。
ジンバブエの公共医療はアフリカ最高水準と呼ばれていたが、インフレや低賃金の影響でより待遇の良いイギリスに渡る医師や看護師が激増。流出に悩まされていた。
医療従事者の組合は賃上げを求めるストを行ってきたが、政府は今年1月、医療従事者の長期ストを禁じる法律を施行した。