コンゴ・エボラ流行、医療従事者の保護具足りず、感染拡大続く
世界保健機関(WHO)によると、同国におけるエボラの確定感染者は550人、死者は101人に達した。
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コンゴ民主共和国東部で拡大する「エボラ出血熱」の流行を巡り、最前線で対応に当たる医療従事者が深刻な防護装備不足に直面している。マスクや手袋、防護服に加え、長靴などの基本的な個人用保護具(PPE)が不足しており、医療関係者の間では感染リスクの高まりへの懸念が強まっている。
世界保健機関(WHO)によると、同国におけるエボラの確定感染者は550人、死者は101人に達した。今回の流行は5月に公式確認されたが、実際には数週間にわたり見過ごされていた可能性があり、発見の遅れが感染拡大を招いたとみられている。
現地の医師や支援関係者によると、北東部イトゥリ州などの医療施設では必要な防護装備が慢性的に不足している。長靴が手に入らず素足や簡易的な靴で患者対応を行うケースもあり、マスクの在庫も急速に減少しているという。感染者の体液に接触する危険性が高いエボラ対応において、防護具の欠如は医療従事者自身の感染だけでなく、院内感染の拡大にもつながりかねない。
供給不足の背景には、治安悪化や物流網の混乱がある。流行の中心地であるイトゥリ州や北キブ州では武装勢力の活動が続き、道路事情も悪い。さらに国境管理の強化や輸送コストの上昇によって防護具価格が高騰し、必要な物資を迅速に届けることが難しくなっている。
WHOは医療物資の空輸を進めているものの、需要の急増に対応しきれていない。接触者追跡も目標を下回り、感染者と接触した人々の追跡率は依然として十分な水準に達していない。住民の不信感や一部地域での医療チームへの襲撃も防疫活動の障害となっている。
また、国際支援体制にも課題が浮上している。保健関係者の間では、米国の対外援助縮小や国際保健支援体制の弱体化が現場の対応能力を低下させたとの指摘が出ている。資金不足により医療機材や人員の確保が遅れ、防疫活動全体に影響が及んでいるとの見方もある。
WHOは今月、アフリカ地域のエボラ流行封じ込めに向けた5億1800万ドル規模の支援計画を発表した。しかし、専門家は「資金だけでなく、防護具や医薬品を確実に現場へ届ける物流体制の強化が不可欠だ」と警告する。感染拡大を防ぐうえで、最前線に立つ医療従事者の安全確保が急務となっている。
