WHO事務局長がコンゴのエボラ流行に警鐘、国際社会に支援強化呼びかけ
今回の流行は5月中旬に確認され、5日時点で確定症例数が3800人超、死者は1700人を超えた。
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世界保健機関(WHO)のテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は5日、コンゴ民主共和国東部で拡大する「エボラ出血熱」の流行について、「感染拡大の速度が医療当局の対応を上回っている」と強い危機感を示し、国際社会に対して支援の強化を訴えた。現地では最前線で感染対策に従事する医療関係者が賃金や手当の未払いに抗議してストライキを実施しており、流行の封じ込めをさらに困難にしている。
今回の流行は5月中旬に確認され、5日時点で確定症例数が3800人超、死者は1700人を超えた。WHOは実際の感染者数は報告数を大きく上回る可能性があるとみており、現在確認されているエボラ流行としては世界で最も急速に拡大している事例と位置付けている。流行の中心地は北東部イトゥリ州で、武装勢力の活動や住民の避難、医療体制の脆弱さが感染拡大に拍車をかけている。
感染拡大が止まらない背景には対応の遅れがある。今回流行しているのは「ブンディブギョ株」と呼ばれるエボラウイルスで、この型には承認済みのワクチンや有効な治療薬がない。初期の患者が別の病気と誤診されたことで感染の把握が遅れ、接触者追跡や隔離措置も十分に機能しなかった。その結果、感染経路が不明な患者が相次ぎ、保健当局は流行の実態を把握しきれない状況に陥っている。致死率は45%に達している。
こうした中、現地の医療従事者や感染対策要員は3カ月間にわたり給与や危険手当が支払われていないとして抗議活動を展開している。ストライキによって患者の監視や検査、接触者追跡などの業務が停滞し、感染拡大を食い止める体制がさらに弱体化している。WHOは最前線で働く人員への安定した報酬の確保が流行収束の前提条件だと強調している。
国際社会も支援拡大に乗り出している。米国はエボラ対策として新たに2億4200万ドルを拠出すると発表し、累計支援額は5億ドルを超えた。この資金は医療施設の運営や防護用品の供給、検査体制の整備などに充てられる予定である。しかしWHOは、必要な資金や人員は依然として不足しており、現在の対応では感染拡大の勢いに追いつけないとの認識を示している。
テドロス氏は、感染の封じ込めには各国政府や国際機関、支援団体が連携し、迅速な資金提供と現地支援を強化する必要があると訴えた。
