コンゴ・エボラ流行、WHOが新たな治療センター開設、5人回復
テドロス氏はブニアで新たに開設されたエボラ治療センターの開所式に出席し、「本日4人が退院し、2日前にも1人が退院した」と説明した。
のテドロス事務局長(右)と関係者(AP通信).jpg)
世界保健機関(WHO)のテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は5月31日、「エボラ出血熱」の流行が続くコンゴ民主共和国・北東部イトゥリ州の州都ブニアで感染者5人が回復したと明らかにした。今回の流行では有効なワクチンや承認済み治療法がない「ブンディブギョ型」エボラウイルスが確認されており、患者の回復は感染拡大防止に向けた重要な前進と受け止められている。
テドロス氏はブニアで新たに開設されたエボラ治療センターの開所式に出席し、「本日4人が退院し、2日前にも1人が退院した」と説明した。そのうえで、「ワクチンや治療法の開発は続いているが、エボラに感染しても回復は可能だ」と強調し、早期受診の重要性を訴えた。
回復した患者の中には医療従事者も含まれている。患者たちは発熱や倦怠感などの症状に苦しみながら隔離生活を送り、対症療法を中心とした治療を受けたという。WHOは早期発見と適切な医療支援が生存率向上につながったとみている。
一方で、流行の終息は依然として見通せない。WHOによると、5月末時点で120人以上の感染が確定し、多数の疑い例が調査中である。隣国ウガンダでも感染が確認され、国境を越えた拡大への警戒が続いている。ブンディブギョ株は過去の大規模流行で使用されたワクチンが十分な効果を示さないとされ、対応を難しくしている。
感染対策を巡っては、住民の不信感や誤情報の拡散も大きな課題となっている。東部地域では治療施設が襲撃される事件も発生し、一部の住民が安全な埋葬手続きに反発している。武装勢力の活動が続く不安定な治安情勢も、保健当局や国際機関による対応を困難にしている。
こうした状況を受け、WHOやコンゴ政府は新たな治療センターの整備や検査体制の拡充を進めている。テドロス氏は「感染拡大を止めるには地域社会の協力が不可欠だ」と述べ、発熱などの症状が現れた場合は速やかに医療機関へ相談するよう呼びかけた。国際社会も支援を強化しており、WHOは今後数週間が流行封じ込めの重要な局面になるとの認識を示している。
