南スーダンの一部地域に飢饉迫る、国連3機関が警告
世界食糧計画(WFP)、国連児童基金(ユニセフ)、国連食糧農業機関(FAO)は共同声明で「南スーダンの上ナイル州の13郡のうち11郡で、住民が緊急レベルの飢餓に直面している」と明らかにした。
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国連の3機関は12日、アフリカ東部・南スーダンの紛争に見舞われた地域で飢饉が迫っていると警告した。
世界食糧計画(WFP)、国連児童基金(ユニセフ)、国連食糧農業機関(FAO)は共同声明で「南スーダンの上ナイル州の13郡のうち11郡で、住民が緊急レベルの飢餓に直面している」と明らかにした。
上ナイル州ではキール(Salva Kiir)大統領と敵対する武装民兵と政府軍との戦闘が激化している。
声明によると、最近の戦闘で多くの住宅が破壊され、さらに戦闘の影響で人道支援の配送も滞っているという。
上ナイル州以外の地域でもキール氏を支持する勢力とマシャール(Riek Machar)副大統領を支持する民兵による小規模な戦闘が続いている。
キール氏はマシャール氏に近い政府高官を解任し、マシャール派を怒らせている。
3月初旬、北東部で国軍とマシャール派の民兵が衝突。国軍はこの攻撃により撤退を余儀なくされた。
キール氏はこれに反発し、マシャール派の閣僚を含む複数の幹部を逮捕。3月末にはマシャール氏も逮捕・勾留した。
マシャール氏を含む高官数人が現在、自宅軟禁下に置かれている。マシャール氏の支持者の中には弾圧を恐れ、国外に逃亡した者もいる。
南スーダンは2011年に独立。2年後の2013年、キール氏に忠実な組織がマシャール氏の支持勢力に攻撃を仕掛け、内戦が勃発。18年の和平合意で終結した。その犠牲者は40万人以上と推定されている。
国連によると、5月初め以来、各地で戦闘が激化し、大勢の死傷者が出ている。
国連は上ナイル州の住民約3万2000人が10以上の国連機関、政府、援助団体などが参加する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の飢饉調査委員会(FRC)が定めるフェーズ3に該当すると説明している。
フェーズ3は危機レベルの飢餓と定義され、フェーズ4は緊急事態、フェーズ5は大災害または飢饉とみなされる。
南スーダンの他の地域では状況が改善されつつあるものの、同国の人口1150万人のうち約57%が栄養失調に直面している。
南スーダンの一部地域では内戦下の2017年に飢饉が宣言された。