米政府、ケニアに「エボラ感染者」向けの隔離施設設置へ、コンゴで流行続く中
この施設は現在、ケニア政府の承認待ちの段階で、実現すれば米国人専用の医療・隔離拠点として運用される見通しだ。
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米政府が「エボラ出血熱」に感染、あるいは感染の疑いがある米国人を対象とする隔離施設をアフリカ東部・ケニアに設置する方針であることが明らかになった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが26日に報じた。この施設は現在、ケニア政府の承認待ちの段階で、実現すれば米国人専用の医療・隔離拠点として運用される見通しだ。
背景にはアフリカ中央部・コンゴ民主共和国を中心に拡大するエボラ流行がある。今回流行しているのは「ブンディブギョ株」と呼ばれる比較的珍しい型で、世界保健機関(WHO)は国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言した。26日時点で900件以上の感染疑い例と200人を超える死者が報告され、隣国ウガンダにも感染が広がっている。
米政府はすでに警戒を強化し、感染地域に滞在歴のある米国人に対し、ワシントンDC近郊のダレス国際空港経由でのみ入国を認める措置を導入した。さらにCDC(疾病対策センター)はアトランタ空港でも検疫を開始し、発熱や症状の確認を進めている。
新たな隔離施設では、感染者や高リスク接触者を米本土へ直接移送する前に、一定期間の観察や初期治療を行うとみられる。報道によると、保健福祉省(HHS)傘下の「公衆衛生局士官部隊(USPHS Commissioned Corps)」の職員に対し、ケニア派遣準備の通知が出されているという。
今回の措置の背景には、米国内で高まる感染拡大への警戒感がある。今月には、コンゴで患者の治療にあたっていた米国人医師がエボラに感染し、ドイツへ搬送された。さらに複数の米国人支援関係者も欧州へ退避している。ワシントン・ポスト紙はホワイトハウスが感染者の米本土帰還に慎重姿勢を示していたと報じている。
一方で、専門家からは懸念の声も出ている。米国にはネブラスカ大学医療センターなど高度隔離施設を備えた医療機関が存在するにもかかわらず、海外に隔離拠点を設けることについて、「政治的判断が科学的対応を上回っている」との批判がある。また、感染地域で活動する医療ボランティアが、帰国制限や強制隔離を恐れて現地支援をためらう可能性も指摘されている。
トランプ政権は「米国民への感染リスクは依然として低い」と説明しているが、アフリカで感染拡大が続けば、検疫体制や渡航制限がさらに強化される可能性がある。今回のケニア隔離施設構想は、感染症対策と国境管理をめぐる米政府の新たな対応モデルとして、国際社会から注目を集めている。
