アフリカ西部で移民船事故相次ぐ、144人死亡=国連
モーリタニア沿岸は近年、サハラ以南アフリカの人々が欧州を目指す主要な出発地点の一つとなっている。
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国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は21日、アフリカ西部・モーリタニア沖で発生した2件の海難事故により、移民・難民合わせて144人が死亡または行方不明になったと発表した。事故は7月14日から18日にかけて発生し、387人が救助されたが、多数の犠牲者が確認される事態となった。
被害が大きかった事故では、ガンビアを出航しスペイン領カナリア諸島を目指していた船が燃料切れとなり、大西洋上を25日間漂流した。船には約160人が乗船し、モーリタニア沿岸警備隊による救助活動が行われたものの、122人の行方が分からず、死亡した可能性が高いとみられている。
一方、別の事故では、セネガルを出航した船から179人が救助され、この事故でも複数の死者・行方不明者が出た。国連は両事故を合わせて144人が死亡または行方不明になったとしているが、沿岸警備隊が公表した人数との間には一部食い違いもあり、確認作業が続いている。
モーリタニア沿岸は近年、サハラ以南アフリカの人々が欧州を目指す主要な出発地点の一つとなっている。母国での貧困や失業、政治的不安定、紛争などを背景に、多くの人々が危険を承知で密航業者が手配する小型船に乗り込み、大西洋を横断してカナリア諸島を目指している。しかし、この航路は長距離に及ぶうえ、老朽化した船や過積載状態での航行が常態化しており、燃料不足や悪天候による遭難が後を絶たない。UNHCRは、この大西洋ルートを「世界で最も危険な移民ルートの一つ」と位置付けている。
国連の専門機関である国際移住機関(IOM)によると、2025年には世界全体で約8000人の移民が死亡または行方不明となり、このうち西アフリカから大西洋を渡るルートで1200人以上が犠牲となった。実際の犠牲者数はこれを大きく上回る可能性がある。
今回の事故を受け、UNHCRは各国政府に対し、海上での救助体制の強化とともに、移民・難民が密航業者に頼らず安全に保護を求められる合法的な手段を拡充するよう求めた。
欧州への移住を望む人々が後を絶たない現状の中で、危険な航路で繰り返される海難事故は、人道危機の深刻さと国際社会が直面する移民問題の難しさを浮き彫りにしている。
