◎東アフリカ諸国はこの数十年で最悪の干ばつに直面しており、数百万の子供を含む数千万人が飢餓に直面している。
2021年3月19日/ソマリア、首都モガディシュ郊外の難民キャンプ(Getty Images)

ウクライナ産穀物を積んだ貨物船が30日、東アフリカのジブチに到着した。

世界食糧計画(WFP)によると、この第1便の穀物2万3000トンはエチオピア北部ティグライ州に陸路で送られる予定だという。

東アフリカ諸国はこの数十年で最悪の干ばつに直面しており、数百万の子供を含む数千万人が飢餓に直面している。

食糧安全保障の専門家は、壊滅的な被害を受けているソマリア、ケニア、エチオピアなどの膨大なニーズを賄うためには数百万トンの穀物を「直ちに速やかに迅速に」届ける必要があると警告している。

アフリカ大陸の穀物需要を支えてきたウクライナの輸出は続くと予想されており、30日には絶望的な飢餓に直面している中東イエメン行きの便が出航する予定だ。

WFPは複数の貨物船がウクライナ南部で準備を進めていると報告している。

一方、エチオピア北部ティグライ州では先週、5カ月間維持された人道的停戦が破綻し、戦闘が再開された。

エチオピア政府はティグライ州に続く陸路を封鎖しているため、穀物が届くかどうかは不明。しかし、ティグライ州以外の北部地域でも飢餓が進行しているため、穀物が無駄になることはないと予想されている。

WFPは第1便の穀物2万3千トンについて、150万人に1ヶ月間、食料を配給できると見積もっている。

しかし、国連はティグライ州だけで少なくとも240万人が深刻な食料不足に陥り、エチオピア全体で2000万人が飢餓に直面していると報告している。

報道によると、ケニアとソマリアの干ばつも悲惨で、この数カ月で数千人が餓死したという。

ソマリアは国内で消費する穀物の90%をウクライナとロシアから調達していたため、特に大きな影響を受けている。

WFPは30日、「アフリカの角には何百万トンもの穀物が必要だ」とSNSに声明を投稿した。

WFPによると、28日時点でウクライナを出港した貨物船は114隻、120万トン以上の食料が輸出された。ただし、その量は戦争開始前の平均をはるかに下回っている。

2022年8月7日/ウクライナ、南部オデーサ州、穀物を積んだ貨物船と男性(Nina Lyashonok/AP通信)
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