◎サハラ以南の国々のガソリン価格はロシア・ウクライナ戦争の影響で上昇したと考えられている。
2022年3月3日/ナイジェリア、ラゴスのガソリンスタンド前(Getty Images/AFP通信)

アフリカ全土でガソリン価格が高騰している。

ナイジェリアではここ1ヶ月ほどガソリンが不足している。一部の専門家は不純物の混ざったガソリンが大量に輸入された結果と指摘している。

ナイジェリア国営石油会社(NNPC)は不純物の混ざったガソリンを市場から排除する取り組みを進めており、その結果、地方都市のガソリンスタンドで供給不足が発生したと報告されている。また、一部の販売業者がガソリンを買い占め、利益を得ていると伝えられている。

ただし、ナイジェリアのガソリン価格は他のアフリカ諸国に比べるとはるかに低い。ナイジェリア政府は市場に資金を投入して価格を何とか抑えている。

サハラ以南の国々のガソリン価格はロシア・ウクライナ戦争の影響で上昇したと考えられている。戦争が激化すれば貧しい国々の経済はさらに悪化する可能性が高い。

世界の原油価格は先日、2014年に記録した1バレル100ドルの大台を突破した。ベンチマークであるブレント原油先物価格は現在、1バレル100ドル前後で推移している。

アフリカ諸国の中でガソリン価格が高い国は以下の通り。(16日時点)

▽ジンバブエの全国の平均価格はリッター2.153ドル(255円)まで上昇した。同国のエネルギー・電力開発相は今月初めの記者会見で、「ガソリンの高騰は国際的な原油需要の増加によるもの」と説明した。

東アフリカ沖の島国であるセイシェルの平均価格はアフリカの中で2番目に高く、リッター1.541ドル(183ドル)に達した。 セイシェルは石油と天然ガスを生産していないが、国際石油会社は同国の沖に潜在する石油鉱床の探査を続けている。

▽マラウイの平均価格はリッター1.426ドル(169円)。マラウイ湖にも石油鉱床があると考えられているが、調査は進んでいない。

▽南アフリカはリッター1.413ドル(168円)。トタルエナジーズ社は2019年に同国の探鉱鉱区でコンデンセート・ガス田を発見したと発表した。

▽石油生産国のウガンダの価格はリッター1.389ドル(165円)まで上昇している。ビジネス・インサイダー・アフリカのデータによると、同国の原油埋蔵量は推定25億バレル。

インド洋の島国モーリシャスの価格はリッター1.381ドル(164円)。 同国は石油を生産していないが、専門家によると、将来性はあるとのこと。

▽最貧国のひとつであるブルンジの価格はリッター1.340ドル(159円)まで上昇し、国民の家計を圧迫している。同国に原油や天然ガスの生産施設はなく、輸入に頼っている。

▽セネガルの価格はリッター1.299ドル(154円)。同国は2014年~2017年の調査で石油鉱床を発見したが、本格的な調査は2023年まで延期された。

▽国際機関の支援に頼っているレソトの価格はリッター1.231ドル(146円)。同国に鉱床はない。

▽ルワンダの価格はリッター1.230ドル(146円)。石油生産は行っていない。

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