◎アフリカ北部のチュニジアとリビアは西欧への亡命を目指す移民の出発地点になっている。
チュニジア沖、亡命希望者を乗せたボート(Getty Images)

チュニジアの沿岸警備隊は8日、亡命希望者とみられる人々を乗せたボートが同国の沖合で沈没し、少なくとも20人が行方不明になっていると発表した。

当局によると、事故は首都チュニスの南方約300kmに位置するスファックスの沖合で8日に発生。沿岸警備隊は17人を救助した。

警備隊は声明で、「救助した17人のうち2人は重体。少なくとも20人が行方不明になったとみられる」と述べている。

チュニジア沿岸ではこの数カ月、移民船の沈没・転覆事故が相次ぎ、数十人が死亡または行方不明になっている。

アフリカ北部のチュニジアとリビアは西欧への亡命を目指す移民の出発地点になっている。人々は頼りないゴムボートやボロボロの木造船に乗り、イタリアのシチリア島などを目指すのだ

チュニジア政府の統計によると、1月1日~3月31日の間に保護した移民は1万4000人を超え、前年の5倍に増加したという。その多くがサハラ砂漠以南の出身者だった。

沿岸警備隊はこの期間中に501件の密航を阻止し、移民1万4406人を救助。そのうちサハラ砂漠以南のアフリカ諸国出身者は1万3138人だった。

移民の大半がスファックスの沖合で保護されている。スファックスとイタリア南部のランペドゥーザ島は150kmほどしか離れていない。

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