◎政府は現在、憲法改正と政治改革に向けた国民対話を行っている。
2022年6月20日/チュニジア、首都チュニスの大統領府、憲法草案を受け取るサイード大統領(左)(Getty Images/AFP通信)

チュニジアサイード(Kais Saied)大統領が20日、憲法草案の第一版を受け取った。

サイード氏は7月25日に予定されている憲法改正の是非を問う国民投票の1ヶ月前に起草作業を完了させたいと考えており、〆切を6月30日に設定している。

起草作業と現在進行中の国民対話を監督する政府高官は記者団に対し、「皆の努力のおかげで草案の第一版を完了させることができた」と語った。

サイード氏は昨年7月、政府のコロナ対策と経済政策の失敗を非難し、当時の首相を解任したうえで議会を一時的に停止し、自分の権限を強化した。

サイード氏の強権的なやり方に反対する野党と活動家はこの措置をクーデターと非難し、各地で抗議デモを続けている。議会は今年3月に解体された。政府は現在、憲法改正と政治改革に向けた国民対話を行っている。

サイード氏は憲法の大幅な改正を望んでいる。現在の憲法は与野党の厳しいやり取りの末、2014年に施行されたが、議院内閣制と大統領制がごちゃ混ぜになっており、しばしば政治的行き詰まりを生んできた。

憲法改正は「アラブの春」のきっかけとなったジャスミン革命から10年以上経ったチュニジアの政治体制の再構築を目指すサイード氏の計画の根幹をなすものである。

国民対話から除外されたイスラム政党「ナフダ」と他の野党勢力はサイード氏の専制政治に立ち向かうと誓い、首都チュニスで抗議デモを続けている。

野党のデモには数千人が参加しているものの、多くの国民が汚職の撲滅を約束し、利権に興味を示さないリベラル派のサイード氏を支持しているように見える。

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