◎サイード大統領は昨年7月25日に首相を解任したうえで議会を閉鎖し、権力を独占した。
2022年2月13日/チュニジア、首都チュニス、サイード大統領の統治に抗議するデモ(Getty-Images/AFP通信)

チュニジアのイスラム政党である野党「アンナハダ(Ennahda)」は7日、中央銀行が党幹部12人の銀行口座を凍結したことに強く反発した。

サイード(Kais Saied)大統領はこの12人がマネーロンダリングとテロ資金の調圧に関与したと非難し、中銀に資産を凍結するよう命じた。

アンナハダのガンヌーシ(Rached Ghannouchi)党首は今年3月に解体された議会の議長を務め、サイード氏の独裁に強く反対していた。

地元メディアによると、12人は「Nama Tounes」という慈善団体と関係があると疑われ、口座を凍結されたという。この団体の詳細は明らかにされていない。

アンナハダの報道官は7日の記者会見で、「サイードは経済・政治問題から世論の関心をそらすために罪をでっちあげた」と厳しく非難した。

アンナハダはウェブサイトに掲載した声明で、「党首らは適切に資産を報告しており、違法な取引には一切関与していない」と述べている。また、「国内外からいかなる金銭も受け取っておらず、慈善団体の口座にいかなる送金も行っていない」と断言した。

サイード氏は昨年7月25日に首相を解任したうえで議会を閉鎖し、権力を独占した。

野党と活動家はサイード氏の強硬措置をクーデターと非難し、各地で抗議デモを続けている。議会は今年3月に解体された。議会選は12月に行われる予定。

アンナハダの報道官は、「この主張はサイードの権限を強化する7月25日の憲法改正国民投票から国民の目をそらすことを目的としている」と指摘した。

サイード氏は先週、新憲法の草案を公表した。

サイード氏とその支持者たちは、アンナハダを含む議会議員が貧困、暴力、政治危機を引き起こしたと主張している。

AP通信などによると、ガンヌーシ党首はテロ資金の調達とマネーロンダリングに関与したとして、7月19日に出廷するよう命じられたという。

アンナハダはサイード氏が先月裁判官57人を解任し、司法を監督する新しい評議会を設置したことから、行政府が司法を操作する可能性があると懸念を表明している。

2021年12月15日/チュニジア、サイード大統領(Getty Images/AFP通信)
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