◎大統領選は10月6日に予定されている。現職のサイード大統領の再選は揺るぎそうにない。
アフリカ北部・チュニジアの選挙管理委員会は2日、大統領選への出馬を表明した野党候補17人のうち2人の立候補を許可した。
地元メディアによると、そのうちの1人であるザメル(Ayachi Zammel)氏は立候補を許可された直後に身柄を拘束されたという。
捜査当局は先月、出馬に必要な署名を偽造した疑いでザメル氏の会計責任者を逮捕している。立候補には1万人分の署名が必要であり、多くの候補がこれを集められず、立候補を諦めた。
大統領選は10月6日に予定されている。現職のサイード(Kais Saied)大統領の再選は揺るぎそうにない。
選管は2日、大統領選に3人の候補が出馬することを確認した。サイード氏、ザメル氏、そして左派のマグザウイ(Zouhair Maghzaoui)氏の3名である。
最高裁判所は先週、選管が出馬を禁じた3候補の立候補を許可するよう命じたが、選管は2日、この3候補が必要な書類を提出していないと主張。提出期限を守らなかったため、出馬は認められないとした。
選管によると、3人は必要書類、推薦状、供託金などが不足していたという。
サイード氏は「アラブの春(2010~12年)」につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領を追放した政治家たちが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領に就任した。
その後、サイード氏は2021年7月に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖。野党はこれをクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。
議会は22年3月に解体され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。
サイード氏のライバルとされる野党の有力議員の多くが投獄されているため、地元メディアによると、サイード氏の再選は揺るぎそうにない。