◎インフレ、干ばつ、紛争に巻き込まれた多くのアフリカ人がチュニジアやリビアから西欧を目指して危険な船旅に出ようとしている。
2023年7月7日/チュニジア、東部沿岸の町スファックス、休憩する移民たち(AP通信)

北アフリカ・チュニジアの海岸とアルジェリア国境付近で今週、移民少なくとも15人の遺体が見つかった。地元当局が14日、明らかにした。

それによると、沿岸警備隊は12日夜、東部沿岸の町スファックス沖で移民とみられる13人の遺体を収容し、25人を救助したという。

スファックスは首都チュニスの南方約300kmに位置し、西欧を目指す移民の出発拠点になっている。そこを出港する移民の大半がイタリアのランペドゥーザ島を目指す。

地元メディアによると、スファックスでは地元住民と移民の衝突が相次いでいるという。当局はチュニジア人男性が移民に殺害された事件を受け、数百人をリビアやアルジェリアに強制送還した。

チュニジアとアルジェリアの国境でも今週、サハラ以南の紛争地から逃れたとみられる移民2人の遺体が見つかった。

この国境地帯では今年に入ってから移民少なくとも30人が死亡したと伝えられている。

国際移住機関(IOM)によると、今年、アフリカ中部から北部に移動する途中で死亡または行方不明になった移民は約2000人。昨年は約2400人だった。

インフレ、干ばつ、紛争に巻き込まれた多くのアフリカ人がチュニジアやリビアから西欧を目指して危険な船旅に出ようとしている。

EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長、イタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相、オランダのルッテ(Mark Rutte)首相は16日にチュニスを訪問し、権威主義を強めるサイード(Kais Saied)大統領と今年2度目の会談を行う予定だ。

EUは先月、低迷するチュニジア経済を支援するために10億ドル以上を融資し、無謀な渡航を阻止する取り組みを強化すると約束した。

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