◎サイード大統領は今年7月、政府のコロナ対策と経済政策の失敗を非難し、ヒシェム・メチチ首相を解任したうえで議会を停止した。
2021年12月8日/チュニジア、首都チュニス、カイス・サイード大統領(Slim Abid/Tunisian Presidency/AP通信)

12月13日、チュニジアのカイス・サイード大統領は議会の停止期間を延長したうえで、2022年に国民投票と議会選挙を行うと発表した。

サイード大統領は今年7月、政府のコロナ対策と経済政策の失敗を非難し、ヒシェム・メチチ首相を解任したうえで議会を停止した。メチチ政権の政策に反対する人々はサイード大統領を称賛したが、与党ナフダ党を含む多くの議員が大統領の強硬措置をクーデターと呼び、厳しく非難した。

議会停止から2か月後、サイード大統領は憲法を部分的に停止し、自分の権限を強化したうえで、ナジュラ・ブーデン氏を暫定首相に指名した。チュニジア初の女性首相であるブーデン氏は、閣僚25人のうち9人を女性にした。

サイード大統領は13日の演説で、「チュニジアは後戻りしない」と語った。「一部の市民は古いシステム(軍事政権)を求めていますが、チュニジアは後戻りしません...」

サイード大統領によると、暫定政府は2022年1月から3月の間に新しい委員会を創設するという。この委員会は同年7月25日に予定されている「政治改革に関する国民投票」を主導する。7月25日はチュニジアの共和国記念日である。

サイード大統領は演説の中で、「チュニジアの政治の在り方は国民が決める」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

またサイード大統領は、2022年12月17日に予定されている次の議会選挙まで議会の停止を延長すると発表した。

2010年12月にチュニジアで発生したジャスミン革命は「アラブの春」に発展し、近隣諸国に民主主義をもたらした。しかし、チュニジアの経済は権威主義者を打倒した後も低迷し続け、コロナの感染拡大で危機はさらに悪化し、国民の大半が今も厳しい生活を余儀なくされている。

サイード大統領は民主主義を確立した後も、「一部の政治家の汚職は国に悪い影響を与えている」と頻繁に述べていた。

国連とアフリカ連合はサイード大統領の強行に懸念を表明したが、メチチ政権の政策に反対していた人々はサイード大統領を称賛し、与党ナフダ党と反対派グループの抗議デモに反対するデモを各地で開催した。

賛成派と賛成派は今も各地で集会を開催している。

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