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コンゴ・エボラ流行、感染報告から1カ月、実態把握できず

保健当局によると、流行が確認された東部イトゥリ州、北キブ州、南キブ州ではこれまでに782人が感染、181人が死亡した。
2026年5月20日/コンゴ民主共和国、北東部イトゥリ州ブニアの医療センター(AP通信)

コンゴ民主共和国東部で「エボラ出血熱」の流行が確認されてから1カ月が経過したが、保健当局や国際機関は依然として流行の実態を正確に把握できていない。確定症例数や死者数は急増を続けているものの、検査体制の不備やデータ収集の遅れに加え、住民の不信感や暴力行為が封じ込めの大きな障害となっている。

保健当局によると、流行が確認された東部イトゥリ州、北キブ州、南キブ州ではこれまでに782人が感染、181人が死亡した。これは同国で記録されたエボラ流行としては既に3番目の規模に達している。しかし、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」や地元当局者は、実際の感染者数や死亡者数は公式統計を大きく上回る可能性が高いと指摘している。

現場では検体検査の遅延や医療機関ごとの報告体制のばらつきが深刻化している。複数の医療施設や研究機関から集まるデータの整合性を取ることが難しく、感染状況の全体像が見えにくくなっている。また、一部地域では感染者が医療施設を利用せず自宅で死亡するケースもあり、統計に反映されない死亡例が存在するとみられている。

流行の封じ込めをさらに困難にしているのが住民の不信感である。保健当局によると、一部地域では埋葬チームや医療従事者が住民から襲撃を受ける事例が発生している。感染対策のための安全な埋葬が妨害され、患者が治療施設から逃走するケースも報告されている。こうした背景には政府や外部支援組織への根強い不信感があるとみられている。

医療体制の逼迫も深刻だ。31の感染地域に対して治療施設は14カ所しかなく、多くの患者が十分な医療を受けられていない。紛争や武装勢力の活動が続く地域では医療従事者の移動も制限され、人道支援活動に支障が生じている。

今回の流行は、ワクチンや特効薬が確立していない「ブンディブギョ株」によるもので、対応をさらに難しくしている。世界保健機関(WHO)やアフリカ疾病対策センター(Africa CDC)は支援を強化しているものの、感染拡大の速度に対応が追いついていないとの懸念も強い。専門家は診断体制の拡充や住民との信頼関係の構築が進まなければ、流行がさらに拡大し、過去最悪級のエボラ危機に発展する可能性があると警告している。

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