◎エチオピアの外務省は30日の声明で、7人の国連当局者は72時間以内にエチオピアから出国しなければならないと述べた。
2021年7月19日/エチオピア、北部ティグライ地域、国連とINGOの合同チームによる支援活動(ユニセフ/AP通信)

9月30日、エチオピア政府は北部ティグライ地域で活動していた国連当局者7人が内政に干渉したため、地域外に追い出したと発表した。

アントニオ・グテーレス事務総長は30日の声明で「追放にショックを受けた」と述べ、国連の支援活動は完全な公平性と中立性に基づいており、内政には一切関与していないと強調した。

ティグライ地域の紛争は昨年11月に本格化した。エチオピア政府はティグライ地域を支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)をテロ組織に指定し、その管理下に置かれている住民600万人に支援物資を提供する国連やその他の人道団体を非難してきた。

紛争の死亡者数は数千人と見積もられているが、詳細は不明。ティグライ地域では大量虐殺、集団レイプ、追放、医療センターの破壊などが各地で確認され、国際社会はこれらの事件に関与した当事者(エチオピア軍、TPLF、エリトリア軍)を厳しく非難した。

国連の人道責任者であるマーティン・グリフィス氏はAP通信の取材に対し、「良心の汚れがエチオピアの危機を加速させている」と語った。「国連は事実上封鎖されているティグライを援助するために活動しています。現在、この地域に到着している人道支援物資は必要な量の約10%に過ぎず、子供を含む600万人は餓死の危機に瀕しています。

国連によると、ティグライ地域の食糧危機は過去10年で世界最悪であり、年内に約40万人が餓死する可能性があるという。

AP通信は先日、エチオピア政府がティグライ地域への支援物資移送を邪魔し始めた6月以来初めて、主要都市で餓死者を確認したと報告した。ただし、紛争地域周辺への立ち入りは許可されておらず、その他の村や町で餓死者が出ているかどうかを調べることはできないという。

エチオピアの外務省は30日の声明で、7人の国連当局者は72時間以内にエチオピアから出国しなければならないと述べた。

一方、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は30日、エチオピア政府の対応を非難し、「ティグライの危機は当事者の良心の欠如が招いたものであり、止めなければならない」と述べた。「国民から生存に必要な権利を奪うことは容認されず、バイデン政権は人道支援を妨害する者たちに経済制裁を科す可能性があります...」

サキ報道官は記者団に対し、アメリカはエチオピア政府とTPLFの停戦に向けた交渉が数週間以内に大きな成果を出すと予想していると述べた。

AP通信によると、国外退去を命じられた7人のうち5人は国連人道機関の関係者で、ユニセフのエチオピア代表や国連人道局の職員も含まれているという。

国連人権高等弁務官事務所とエチオピア政府が創設したエチオピア人権委員会によるティグライ紛争の共同調査結果は、11月1日に発表される予定。

エチオピア政府は以前、国際的な人道機関である国境なき医師団とノルウェー難民委員会のティグライ周辺での活動を妨害した。

AP通信によると、州境の警備は非常に厳しく、軍当局者は支援団体の所持品をすべてチェックし、缶切り、マルチビタミン、薬、さらにパソコンやハードドライブなどの持ち込みは一切許可されないという。ユニセフの活動に参加している男性はAPに、「当局者は銃とナイフで私たちを脅し、ティグライ地域内で情報を発信することは許さないと言った」と語った。

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