◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン、首都ハルツーム、軍事政権に抗議するデモ(Getty Images)

国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は21日、内戦下のスーダンで活動する職員18人が武装勢力の襲撃を受けたと発表した。

それによると、事件は首都ハルツーム市内で20日に発生したという。

MSFは公式ウェブサイトに掲載した声明で、「医療チームはハルツーム南部にある病院に物資を輸送中、路上で止められた。武装した男たちは医療チームにスーダンにいる理由を問いただし、その後何人かを殴り始めた」と述べている。

またMSFは医療チームの運転手1人が短期間拘束されたと述べた。

それ以上の詳細は明らかにされておらず、武装した男たちが正規軍の制服を着ていたかどうかも不明である。

軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬からハルツームなどの支配権を争っている。サウジと米国が仲介した最新の停戦合意は先月失効し、多くの地域で戦闘が激化した。

MSFは20日の攻撃を受け、「職員をこの地域にとどめることができるかどうかを検討する」としている。それによると、ハルツームで機能している病院は2つのみとなり、MSF職員はその両方を支援しているという。

ハルツームの姉妹都市であるオムドゥルマンでも破壊と略奪が報告されている。

国連は軍政とRSFが人道施設も見境なく攻撃・略奪していると非難している。

それによると、ハルツームと北コルドファン州の都市エル・オベイドのWFP施設が略奪被害に遭ったという。

一連の戦闘で死亡した民間人は3000人以上と推定され、300万人以上が国外もしくは国内の比較的安全な地域に逃亡した。正確な死傷者数は不明であり、これよりはるかに多い可能性がある。

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