◎戦闘の再開は米国とサウジの外交努力が失敗に終わったことを示唆している。
2023年6月19日/スーダン、首都ハルツーム郊外、避難民ら(AP通信)

スーダンの首都ハルツームなどで軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による戦闘が本格的に再開された。地元住民や人権団体などが21日に明らかにした。

軍政とRSFは4月中旬からハルツームなどの支配権を争っている。米国とサウジが仲介する最新の停戦合意は21日の午前6時(現地時間)に失効し、多くの地域で空爆や銃撃戦が再開されたようだ。

ハルツームでの戦闘はこの数日、小康状態にあったが、AP通信によると、20日夜から市内の一部地域で激しい銃撃戦が報告されたという。

衝突の中心地はハルツーム国際空港近くにある軍事基地周辺と伝えられている。

ハルツームの姉妹都市オムドゥルマンでも軍事施設周辺で銃撃戦が報告された。

戦闘の再開は米国とサウジの外交努力が失敗に終わったことを示唆している。

国連によると、戦闘はハルツームと西部ダルフール地方に集中している。ダルフールではアラブ系部族で構成される武装民兵ジャンジャウィードがアフリカ系部族を攻撃しているとみられる。

人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、一連の戦闘で死亡した民間人は数千人と推定され、250万人以上が国内の比較的安全な地域または国外に逃亡した。正確な死傷者数は不明であり、これよりはるかに多い可能性がある。

国連は21日、この1カ月で各地に援助物資を運ぶ多くのトラックを支援したと報告。援助物資約17トンをダルフールなどに送ったとした。

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