◎14日の抗議デモでは少なくとも133人が負傷し、そのうち35人は治安部隊に銃で撃たれ重傷を負ったと伝えられている。
2022年3月14日/スーダン、首都ハルツームで行われた抗議デモ(Getty Imagesi/AFP通信)

スーダンの政府関係者は15日、首都ハルツームで14日に行われた抗議デモ中に若い女性が治安部隊に輪姦された事件を調査していると明らかにした。

社会開発省で女性への暴力を減らす取り組みを主導しているイシャク氏は、「女性は公共バスで抗議デモの会場に向かっていた」と記者団に語った。

イシャク氏によると、治安部隊はバスに催涙ガス弾を撃ち込み、乗客を無理やり降車させ、その後、女性は治安部隊の数名にレイプされたという。

警察当局は地元メディアの取材要請を拒否したと伝えられている。

昨年末に国連が公表した報告書によると、昨年10月以降、スーダン国内で行われた抗議デモ中にレイプや集団強姦にあったという申し立ては少なくとも13件報告された。

国軍は10月末にアブダッラー・ハムドゥーク首相(当時)と政府高官を拘束し、軍民合同政府「ソブリン評議会」を解散させ、紆余曲折の末、新たな協定に基づく軍民合同政府を発足させた。

しかし、協定の内容は一切明らかにされておらず、民主主義を求める団体や野党勢力は軍の権力が強化された可能性に懸念を表明し、各地で抗議デモを続けている。

イシャク氏の記者会見後、ハルツーム、オムドゥルマン、バーリの各都市で抗議デモを主催している団体は、「大統領官邸や政府庁舎周辺で新たなデモを行う」と声明を発表した。

団体は声明の中で、「デモに参加する人々は、”軍事政権は女性を公共の場でレイプする”と書かれた紙やプラカードを準備してほしい」と述べ、抗議デモ中に発生したレイプ事件の容疑者が逮捕されるまで抗議し続けると約束した。

2019年の無血クーデターを主導したスーダン医師会によると、10月のクーデター以降、治安部隊はデモに参加した市民87人を殺害し、2,800人以上に重軽傷を負わせたという。

14日に全国各地で行われた抗議デモでは少なくとも133人が負傷し、そのうち35人は治安部隊に銃で撃たれ重傷を負ったと伝えられている。

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