◎軍と民間の代表は2019年のクーデターで独裁者のオマル・アル=バシールを打倒し、合同暫定政府ソブリン評議会を発足させた。
2021年10月21日/スーダン、首都ハルツームの大統領官邸近く、文民政府への移行を要求する抗議者たち(Marwan Ali/AP通信)

10月21日、スーダンの首都ハルツームで数千人規模の抗議デモが開催され、参加者たちは完全な民主主義と文民政府への移行を軍民合同暫定政府に要求した。

軍と民間の代表は2019年のクーデターで独裁者のオマル・アル=バシールを打倒し、合同暫定政府ソブリン評議会を発足させた。しかし、今年9月にアル=バシールの支持者がクーデター未遂事件を起こし、以来、軍事政権を復活させるという機運が高まっている。

現地メディアによると、ハルツームの別の公共エリアでは軍事政権の復活を呼びかけるデモが開催されたという。

民主派と軍政派の争いはソブリン評議会に関与する軍の分裂を引き起こした。

軍政派の抗議者たちはソブリン評議会の解散を要求した。スーダンの経済はここ数年低迷しており、抗議者たちは民主勢力を無能と呼び非難している。

スーダンの国内総生産(GDP)は軍事政権末期の2016年から2018年の間に約50%縮小した。

軍政派の抗議は全国に拡大し、東部地域で活動する反政府組織は紅海州の州都である港湾都市ポート・スーダンの港、燃料パイプライン、そして幹線道路の占領を3週間以上続けている。

軍政派の抗議者たちは先週、「飢餓政府を打倒する」というスローガンを掲げ、ソブリン評議会の議長を務める軍トップのアブデル・ファッタ・アルバーハン将軍に軍事クーデターを決行するよう求めた。

一方、AFP通信によると、21日にハルツームで行われた抗議に暴力はなく、参加者たちは完全な民主主義への移行を強く呼びかけたという。ある民主派グループは、「軍人は政治に関わるな」と書かれた旗を掲げ行進した。

暫定政府を率いるアブダッラー・ハムドゥーク首相は平和的な抗議デモを称賛し、首都の治安を確保した警察に感謝した

フランス政府の指導に基づき、ソブリン評議会は今後数カ月以内に民間人に移管される予定である。他の西側諸国も文民統制を強く支持しており、米国のアントニー・ブリンケン国務長官は2019年の合意に基づき、完全な民主主義に移行するよう双方の当事者に求めた。

ハムドゥーク首相は先週、暫定政府発足以来最悪と呼ばれた今回の危機に対処する計画を発表し、文民政府への移行に向けた取り組みを継続すると誓った。

ハムドゥーク首相は2019年8月に首相に就任し、経済改革に着手した。しかし、インフレ率の上昇と燃料補助金の削減は地域経済に混乱をもたらし、支持率はここ数カ月で大きく落ち込んでいた。

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