◎野党指導者たちは軍に権力の放棄を求めており、文民統制以外の選択肢を却下している。
2021年10月26日/スーダン、首都ハルツームの政府庁舎、アブデル・ファッタ・バーハン将軍(Sudan TV/Marwan Ali/AP通信)

11月11日、スーダン軍は暫定統治機関の長にクーデターの首謀者であるアブデル・ファッタ・バーハン将軍が就任したと発表した。

軍は先月25日にアブダッラー・ハムドゥーク首相とその他の高官を拘束したうえで軍民合同政府のソブリン評議会を解散し、2023年7月の選挙まで権力を維持すると発表した。ハムドゥーク首相はその後釈放された。

軍と民間の代表は2019年の無血クーデターで独裁者のオマル・アル=バシールを追放し、国を民主主義に導くソブリン評議会を創設した。しかし、今年9月にアル=バシールの支持者がクーデター未遂事件を起こし、以来、軍事政権を復活させるという機運が高まっていた。

11日の発表は、文民政府を求める野党、団体、デモ隊を怒らせると予想されている。民間の野党指導者たちは軍に権力の放棄を求めており、文民統制以外の選択肢を却下した。

アル=バシールに対する蜂起を主導したスーダン専門家協会と国連によると、これまでに少なくとも14人の市民が抗議デモに対する取り締まりで殺害されたという。

クーデターで拘束され、先日釈放されたハムザ・バルール文化情報大臣はバーハン将軍の長就任を非難し、「民主化推進派は軍当局との交渉を拒否する可能性がある」と警告した。軍は民間との協力を望んでいるが、民主化推進派は先日、この要求を却下し、国民にゼネストの決行を呼びかけた。

2019年の無血クーデター後に結ばれた合意によると、ソブリン評議会は民間の代表5人、軍の代表5人、軍と民間を取りまとめる民間の代表1人で構成すると規定されている。

しかし、バーハン将軍は暫定統治機関を軍で運営すると主張し、民主化推進派の抗議デモと衝突を引き起こした。

西側諸国と国連は危機の解決に向けた交渉を進めているが、ハムドゥーク首相は自宅軟禁下に置かれたままであり、11日の発表で交渉が難航していることが明らかになった。

西側諸国と国連はクーデターを非難し、文民政府への速やかな移行を強く呼びかけている。世界銀行はスーダンに対する融資を停止し、米国も7億ドル(約780億円)の援助を停止した。

国連のステファン・ドゥジャリック報道官は10日、スーダンのフォルカー・ペルテス国連特別代表とバーハン将軍が9日に会談したと明らかにした。

ドゥジャリック報道官によると、ペルテス特別代表はソブリン評議会の再開とすべての政府関係を速やかに解放するよう求めたという。

またドゥジャリック報道官は、今週初めにアントニオ・グテーレス事務総長とハムドゥーク首相が電話会談を行ったことも明らかにした。

現地メディアによると、スーダンのインターネット通信はクーデター以来、大幅に制限されているという。

裁判所は10日の審理で国内の主要プロバイダーにインターネット通信を回復するよう命じたが、会社は軍の管理下に置かれており、AP通信によると、11日の時点で通信は回復していないという。

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