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スペイン裁判所、首相夫人に出廷と旅券返納命じる、汚職疑惑

捜査を担当するペイナド判事によると、ゴメス氏は首相夫人としての立場や人脈を利用し、複数のテクノロジー企業が政府契約を獲得する過程で不当に影響を与えた疑いが持たれている。
2026年6月18日/ベルギー、ブリュッセルのEU本部、記者団の取材に応じるスペインのサンチェス首相(AP通信)

スペインの裁判所は20日、サンチェス(Pedro Sánchez)首相の妻であるゴメス(Begoña Gómez)夫人に対し、汚職および影響力行使に関する罪で出廷するよう命じるとともに、旅券の返納を命じた。判事は逃亡の恐れがあると判断し、ゴメス氏に対して2週間ごとの出頭も義務付けた。審理開始の日程は決まっていないが、この決定はスペイン政界に大きな波紋を広げている。

捜査を担当するペイナド(Juan Carlos Peinado)判事によると、ゴメス氏は首相夫人としての立場や人脈を利用し、複数のテクノロジー企業が政府契約を獲得する過程で不当に影響を与えた疑いが持たれている。また、公立大学で教授職に就いていた際に、コンサルタントの雇用をめぐる公的資金の不適切な使用や、大学関連ソフトウェアの不正利用にも関与したとされる。今回の裁判には、契約によって利益を得たとされる実業家やゴメス氏の協力者も被告として加わる見通しだ。

これに対し、ゴメス氏は一貫して不正行為を否定している。サンチェス氏も今回の捜査は保守派勢力による政治的攻撃であり、左派政権を失脚させるための「中傷キャンペーン」だと主張してきた。与党・社会労働党(PSOE)は裁判所の判断を「民主主義に対する攻撃」と批判し、司法の政治利用と反発している。

一方、最大野党・国民党(PP)は首相の責任を追及する姿勢を強めている。野党側は政府が司法や報道機関を攻撃し、反対勢力を封じ込めようとしていると主張、解散総選挙の実施を要求してきた。サンチェス氏自身は今回の事件で起訴されていないものの、側近や関係者をめぐる複数の疑惑が浮上しており、圧力が強まっている。

さらに今週には、かつてPSOE政権を率いたサパテロ(José Luis Rodríguez Zapatero)元首相も別の汚職捜査に関連して司法当局の事情聴取を受けた。航空会社への救済措置や高級宝飾品の保有をめぐる疑惑が捜査対象となっているが、本人は関与を否定している。こうした一連の問題は、来年までに行われる予定の議会選挙を前に、サンチェス政権にとって大きな政治的重荷となっている。

今回の命令は単なる汚職事件にとどまらず、司法の独立性や政治的中立性をめぐる論争を巻き起こしている。与野党双方が激しく対立する中、ゴメス氏の裁判の行方は今後のスペイン政治を左右する焦点となりそうだ。

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