スーダン内戦がメロエのピラミッド群を脅かす、保存活動行えず
メロエ遺跡は独特の細く急角度な形状を持つ200基以上のピラミッドからなり、ユネスコの世界遺産に登録されている。
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スーダンで続く内戦が、古代クシュ王国の王墓として築かれたメロエのピラミッド群を脅かしている。首都ハルツームの北方約200キロ北に位置するメロエ遺跡は独特の細く急角度な形状を持つ200基以上のピラミッドからなり、ユネスコの世界遺産に登録されている。ピラミッドは紀元前800年から紀元後350年ごろに建設され、エジプトのピラミッドより800年古いものもある。
しかし現在、遺跡の保存状態は悪化している。専門家によると、気候変動や砂漠の厳しい環境、内戦に加え、国際的な保存活動が停止していることなど、複数の要因が遺跡の劣化を進めている。現地の文化財担当者は、朝に遺跡を訪れると石材が崩れ落ちていることがあり、埋葬神殿の内部では塩が発生していると説明する。塩は石を弱らせ、壁面に残された古代の碑文や絵を失わせる恐れがある。
メロエのピラミッドは高さ6~30メートルほどで、入り口の多くは日の出の方向である東を向いている。かつてはスーダンで最も多くの観光客が訪れる文化遺産の一つで、考古学調査のための国際的な研究チームも活動していた。
しかし2023年に国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が始まって以降、状況は一変した。観光客や研究者は姿を消し、遺跡はほぼ放置状態となっている。
メロエのピラミッドは過去にも破壊の危機にさらされてきた。19世紀には財宝を探していたヨーロッパ人がダイナマイトで爆破し、頂部を失ったものや瓦礫と化したものもある。その後も長年にわたる砂や雨により風化が進み、現在は内戦による保存活動の停滞が新たな脅威となっている。
スーダン内戦は人命や生活基盤だけでなく、数千年にわたって受け継がれてきた文化遺産にも深刻な影響を及ぼしている。戦争の終結が見通せない中、国際的な保存活動を再開できるかが、貴重な古代遺産を次世代へ残すための課題となっている。
