◎スペイン領カナリア諸島で活動している写真家のアルフォンソ・エスカレロ氏は、溶岩に囲まれたオレンジ色の屋根の民家をドローンで撮影した。
2021年9月23日/スペイン、カナリア諸島のラ・パルマ島、溶岩の影響を受けなかった民家(Alfonso Escalero/ロイター通信/AFP通信)

スペイン領カナリア諸島の現地メディアによると、ラ・パルマ島の火山噴火で奇跡的に被害を免れた1軒の民家に注目が集まっているという。

ソーシャルメディアには溶岩に取り囲まれた民家の劇的な写真が複数共有された。ユーザーたちはこの民家を「奇跡の家」と呼んだ。

ラ・パルマ島の南端近くに位置するクンブレ・ビエハ山は19日の午後3時過ぎに噴火した。島で大規模な噴火が観測されたのは約50年振り。

溶岩は山の尾根に沿って西部の市街地に進み、これまでに300軒以上の家屋が被害を受け、約6,000人が避難を余儀なくされた。専門家によると、噴火活動は数週間から数カ月続く可能性があるという。

カナリア諸島で活動している写真家のアルフォンソ・エスカレロ氏は、溶岩に囲まれたオレンジ色の屋根の民家をドローンで撮影した。

スペインのエル・ムンド紙によると、奇跡の家の所有者はデンマークの夫婦で、コロナウイルスの感染拡大以来、使用されていなかったという。

夫婦と一緒に奇跡の家を建てたエイダ・モニケンダム氏はエル・ムンド紙の取材に対し、「二人はとても驚いていました」と語った。

モニケンダム氏によると、この地域で生活している夫妻の友人は火災で全てを失ったという。「二人は自分の家より被害に遭った友人を気にしています。溶岩は町を飲み込みました...」

溶岩は民家、学校、カナリア諸島の経済を支えている複数のバナナ農園を飲み込んだ。

ラ・パルマ島の自治体は、溶岩が海に到達すると爆発や有毒ガスが発生する可能性があると警告し、西部の一部地域と海上周辺を立入禁止区域に指定した。

専門家によると、溶岩の速度は22日の時点で時速4mに減速し、海に到達するかどうかは分からないという。溶岩は時速700mで山の斜面を滑り降りたと推定されている。

カナリア諸島の国立地理研究所の所長、マリア・ホセ・ブランコ氏は23日の記者会見で、「溶岩の第2の流れは事実上停止した」と述べた。また会見に同席した科学者チームによると、溶岩が海に到達する可能性は低いという。

ブランコ所長は、ラ・パルマ島の地震活動は低下しているが、噴火活動はまだ続いていると述べ、市民に警戒を怠らないよう呼びかけた。当局によると、溶岩の噴出量は22日の時点で2,600万㎥と見積もられているという。

一方、カナリア諸島政府は、自宅を失った人々のための住宅開発事業を2つ準備していると明らかにした。

ラ・パルマ島で自治体の活動を支援しているスペインのペドロ・サンチェス首相は国連総会に出席するために一度ニューヨークに飛び、すぐカナリア諸島に戻る予定。

2021年9月23日/スペイン、カナリア諸島のラ・パルマ島南部のクンブレ・ビエハ山(エミリオ・モレナッティ/AP通信)
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