◎この火災は昨年8月末に発生。不法占拠された5階建てアパートが全焼し、76人が死亡、86人が重軽傷を負った。
南アフリカ、ヨハネスブルグ(Getty Images)

南アフリカ・ヨハネスブルグ中心部で76人が死亡した昨年8月のアパート火災について、有識者による調査委員会が報告書を公表し、市当局の責任を問うべきと結論付けた。地元メディアが6日に報じた。

この火災は8月末に発生。不法占拠された5階建てアパートが全焼し、76人が死亡、86人が重軽傷を負った。

捜査当局は今年1月、殺人事件を隠蔽するために放火したと証言する男を逮捕した。この男はアパートの地下室で男性を殺害し、証拠を隠蔽するためにガソリンをまき、火を放ったと証言したという。

元裁判官などで構成される調査委員会は昨年10月に始まった調査の報告書を公表。ビルを所有するヨハネスブルグ市当局が「アパートの悲惨な状況を無視し、結果、150人以上が死傷する大火につながった」と結論付けた。

それによると、このアパートには数百人が不法入居し、そのうち数十人は廊下やバスルーム、駐車場になるはずだった地下室に建てられた掘っ立て小屋に住んでいたという。

火災当夜、消火器は壁から外され、非常階段は施錠されていた。

建物の内部にはゴミが散乱。延焼を後押しし、76人が死亡する事態となった。

報告書によると、市職員、国の入国管理局職員、警察は2019年にこのアパートを家宅捜索し、消防法を含む多くの法律が無視されていることを確認したものの、放置したとされる。

調査委員会はこの家宅捜索に関与した国・市・警察の関係者を懲戒処分に下すよう勧告した。

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