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イラン、ホルムズ海峡の船舶とUAE石油拠点を攻撃、緊張高まる

攻撃はホルムズ海峡を航行中の複数の船舶に対して行われ、韓国関連の船舶やUAEのタンカーが被害を受けたとされる。
2026年4月22日/ペルシャ湾に停泊する船舶(AP通信)

中東の要衝ホルムズ海峡をめぐる緊張が急速に高まっている。5月4日、イランが同海峡周辺で複数の商船を攻撃し、さらにアラブ首長国連邦(UAE)の石油関連港湾をドローンで攻撃・炎上させた。これはトランプ(Donald Trump)米大統領が海峡に滞留する船舶の通航を確保するため海軍に行動を命じた直後の出来事であり、停戦後で最大規模の軍事的エスカレーションとなった。

攻撃はホルムズ海峡を航行中の複数の船舶に対して行われ、韓国関連の船舶やUAEのタンカーが被害を受けたとされる。さらにUAE東部フジャイラの石油施設では火災が発生し、当局はイラン発のドローン攻撃が原因との見方を示した。

これらの攻撃はトランプ政権が打ち出した海上作戦「プロジェクト​・フリーダム(フリーダム計画)」への対抗措置とみられている。この作戦は戦闘や封鎖によって立ち往生している多数の商船を米軍が護衛・誘導し、海峡の航行を再開させることを目的としている。しかしイラン側は、米軍が無断で海峡に進入すれば攻撃対象になると警告、双方の主張は真っ向から対立している。

実際、イランは米艦船に対して警告射撃を行ったと主張し、海峡への進入を阻止したとしている。一方、米軍は商船の一部が安全に通過したと説明するなど、現場の状況をめぐって情報が錯綜している。

ホルムズ海峡は世界の石油輸送の2割が通過する要衝で、今回の衝突は国際経済にも即座に影響を及ぼした。原油価格は一時5%以上上昇し、金融市場も動揺を見せた。海峡の封鎖状態が続けば、エネルギー供給の混乱とインフレ圧力がさらに高まるだろう。

背景には、米国とイランの対立の長期化がある。両国は停戦以来、核問題などをめぐる交渉を続けてきたが、合意には至っておらず、イランは海峡の支配権を強調する姿勢を強めている。イラン革命防衛隊は海峡の一部を自らの管理下にあるとする地図を公表し、影響力の誇示に動いている。

現在、数百隻の商船と数万人の船員が海峡周辺で足止めされているとみられる一方、航行の安全確保は依然として不透明なままである。米国主導で国連決議の検討も進められているが、情勢の沈静化には時間がかかる見通しだ。

今回の攻撃は偶発的な衝突が戦争再開へと発展するリスクを改めて浮き彫りにした。世界経済とエネルギー供給の要衝であるホルムズ海峡を舞台に、米国とイランの緊張は新たな段階に入りつつある。今後の軍事行動や外交交渉の行方が、地域のみならず世界全体に大きな影響を与えることになる。

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