◎南半球は冬真っただ中である。
2021年10月21日/南アフリカ南部の石炭火力発電所(Getty Images)

南アフリカの電力会社は1日、同国が深刻な電力危機に陥っている理由をラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領に説明したとSNSに投稿した。

電力公社エスコム(Eskom)は何年も前から計画停電を行っているが、今週停電時間をさらに延長し、一部地域は1日9時間以上停電することになった。

南半球は冬真っただ中である。

専門家によると、南アフリカの停電が常態化している理由は以下の通り。
▽老朽化した石炭火力発電所の故障
▽発電能力不足
▽汚職
▽エスコム労働者のストライキ

暖房、照明、調理を電気に頼っている家庭は厳しい現実に直面している。

一部の中小零細企業は発電機を動かすディーゼル燃料の価格高騰で出費がかさみ、休業を余儀なくされた。

多くの専門家が、南アフリカの発電能力を大幅に向上させるには数十年かかると指摘している。

南アフリカは自国で採炭し、石炭火力発電に大きく依存しているため、大気汚染を懸念する声も高まっているようだ。

エスコムは太陽光発電などの再生可能エネルギーの割合を増やそうとしているが、燃料価格の高騰が設備投資を難しくしている。

石炭火力発電の割合は2019年時点で71%。政府は2030年までに石炭を43%まで減らし、再生可能エネルギーを40%まで増やす取り組みを進めている。

エコノミストによると、計画停電は南アフリカの経済に1日あたり4000万ドル以上の損害を与え、多くの投資家と企業が投資を躊躇しているという。

アフリカ大陸最大の経済大国だった南アフリカは不況に陥り、完全失業率は35%に達している。

あるSNSユーザーはフェイスブックに、「ろうそくの明かりで子供の世話をするのは本当に大変なことだ」と投稿している。「子供たちは勉強できない、テレビがつかない、本が読めないと言います...」

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