◎アルシャバーブは政府関係者がよく利用するホテル「ヴィラ・ローズ」を攻撃した。
ソマリア、イスラム過激派組織アルシャバーブの戦闘員(ロイター通信)

ソマリアの警察当局は28日、イスラム過激派組織アルシャバーブが首都モガディシュのホテルを急襲したと発表した。死傷者の有無は不明。

国営テレビによると、アルシャバーブは政府関係者がよく利用するホテル「ヴィラ・ローズ(Villa Rose)」を攻撃したと犯行声明を出したという。

警察の報道官は国営テレビのインタビューで、「治安部隊はホテルから数人を救助し、掃討作戦を続けている」と説明したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

ホテルが襲撃を受けた日時も不明。

ホテル近くの住民はAP通信の取材に対し、「ホテルの壁を乗り越えて避難した人を見た」と語った。この住民によると、銃声と爆発音が聞こえたという。

ヴィラ・ローズはモガディシュの中心部に位置し、大統領府からそれほど離れていない。

アルシャバーブは国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派のひとつで、ソマリア南部と中部の大部分を支配し、モガディシュ近郊まで支配地域を拡大したとみられる。

モハムド(Hassan Sheikh Mohamud)大統領はアルシャバーブ掃討作戦を「全面戦争」と呼んでいる。

米軍とアフリカ連合(AU)の支援を受けるソマリア陸軍は現在、中部と南部で掃討作戦を行っているとみられるが、戦況はほとんど明らかにされていない。

専門家によると、アルシャバーブの戦闘員と支持者は政府に圧力をかけるために著名な氏族指導者や酋長を殺害し、政府高官や関係者が訪れる施設への攻撃を繰り返しているという。

アルシャバーブはPKO部隊の基地、レストラン、ホテルなどを標的にすることが多い。

モガディシュで先月末に発生した自動車爆弾攻撃では少なくとも121人が死亡、333人が負傷したと報告されている。このテロは500人以上が死亡した5年前のテロ攻撃と同じ場所で起きた。

米政府はアルシャバーブをアルカイダ系列の最凶組織に位置付け、ドローンでその拠点や戦闘員を攻撃している。

トランプ政権はこの地域の部隊を撤退させたが、バイデン政権はAU・ソマリア連合軍が苦戦を強いられていることを受け、兵士数百人を再配備した。

2022年10月29日/ソマリア、首都モガディシュ、遺体を運ぶボランティア(Farah Abdi Warsameh/AP通信)
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