◎アルシャバーブはソマリアに拠点を置くアルカイダの関連組織で、数十年にわたって軍と激しい紛争を繰り広げている。
2022年8月20日/ソマリア、首都モガディシュ(Getty Images/AFP通信)

ソマリア軍は20日、イスラム過激派組織アルシャバーブに占領された首都モガディシュのホテルを奪還したと発表した。

アルシャバーブはソマリアに拠点を置くアルカイダの関連組織で、数十年にわたって軍と激しい紛争を繰り広げている。

ロイター通信などによると、アルシャバーブの戦闘員はホテル内で少なくとも12人を殺害したとみられる。一部の地元メディアは死者数はさらに増える可能性があると報じている。

テロリストは19日夜、モガディシュ市内のHAYATホテル近くで自動車爆弾を爆発させ、建物内に侵入。宿泊客を人質にしたとみられる。

アルシャバーブは襲撃後に公開した犯行声明で、「ホテル内にいる者をひとり残らず撃ち殺す」と警告した。

AFP通信は20日、治安筋の話を引用し、「治安部隊はホテルの包囲を解き、テロリストは全員死亡した」と報じた。

治安部隊はホテルを速やかに包囲し、アルシャバーブの戦闘員に攻撃を仕掛けたと伝えられている。SNSには爆発と煙が立ち上る映像が複数共有された。

ロイター通信は警察筋の話を引用し、「アルシャバーブはホテル入り口と建物近くで自動車爆弾を爆発させ、押し入った」と報じている。

このホテルは政府関係者も利用することで知られる。死亡したとみられる12人の身元は明らかにされていない。

軍高官は20日、ロイター通信の取材に対し、「これまでのところ、12人の死亡を確認している」と説明した。

治安部隊はホテル内に踏み込んだものの、アルシャバーブが上階に続く階段を爆破したため、人質がいるとされるエリアに到達するのに苦労したと伝えられている。

負傷者を受け入れたモガディシュの医療機関はAFP通信の取材に対し、「軍とテロリストの戦闘に巻き込まれた40人の治療にあたっている」と述べた。負傷者の容体は不明。

アルシャバーブはソマリア南部と中部の大部分を支配し、モガディシュ近郊まで支配地域を拡大しているとみられる。またアルシャバーブはここ数週間、エチオピア国境付近にも攻撃を仕掛けており、懸念を引き起こしている。

今年5月に就任したモハムド(Hassan Sheikh Mohamud)大統領はアルシャバーブを含むイスラム過激派組織から領土を取り戻すと約束し、アフリカ連合ソマリア・ミッション(AMISOM)と協力して対テロ作戦にあたっている。

米国は5月、米兵数百人をソマリアに再配備する計画を発表した。

イスラム過激派組織アルシャバーブの戦闘員(Getty Images/AFP通信)
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