◎西アフリカではこの数年、軍事クーデターが相次いでおり、シエラレオネも同じ状態になるのではないかという懸念が高まっている。
2022年8月10日/シエラレオネ、首都フリータウン(Getty Images)

西アフリカ・シエラレオネの武装集団が首都フリータウンの陸軍兵舎を襲撃した。現地メディアが26日に報じた。

ビオ(Julius Maada Bio)大統領はテレビ演説で兵舎が攻撃を受けたと認め、全国に夜間外出禁止令を出した。

西アフリカではこの数年、軍事クーデターが相次いでおり、シエラレオネも同じ状態になるのではないかという懸念が高まっている。

今年だけでもニジェールとガボンの政権が追放され、ブルキナファソ(軍政)とスーダン(軍政)で未遂があった。

報道によると、武装集団は兵舎を襲った後、フリータウン郊外で2000人以上の受刑者を収監する刑務所を急襲したという。

ビオ氏は演説の中で、「治安当局は兵舎と刑務所で武装集団を押し返すことに成功した」と述べ、国民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。

またビオ氏は刑務所襲撃で何人かの受刑者が拉致されたと明らかにした。

報道によると、犯行声明を出した組織は確認されていない。

陸軍と警察は夜間外出禁止令(午後9時~午前6時)が発令されている間、繁華街と国境付近のパトロールを強化するとしている。

シエラレオネも加盟するECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)は26日、この事件を「武器を盗み、平和と憲法秩序を乱そうとする勢力による陰謀」と非難した。

またECOWASは「クーデターによる違法な政権交代を容認しない」と改めて表明した。

シエラレオネの経済はコロナの大流行やウクライナ侵攻の影響などにより低迷を続け、貧困が蔓延。人口の60%近くが人道支援を必要とし、若者の失業率(60~70%)は西アフリカで最も高くなっている。

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