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コンゴ東部のエボラ対策センターが放火被害に、住民の不満高まる

発端となったのは、地元のサッカー選手がエボラ感染の疑いで死亡したとされる事案だった。
2026年5月21日/コンゴ民主共和国、北東部イトゥリ州、放火されたエボラ対策用の医療施設(AP通信)
コンゴ民主共和国東部で続く「エボラ出血熱」の流行を巡り、住民による医療施設への襲撃事件が発生した。北東部イトゥリ州ルワンパラで21日、若者らがエボラ治療センターに放火し、施設の一部が焼失した。感染拡大を防ぐための厳格な隔離や埋葬措置に対する住民の不満と不信感が背景にあり、流行対策の難しさが浮き彫りとなった。

発端となったのは、地元のサッカー選手がエボラ感染の疑いで死亡したとされる事案だった。当局は感染拡大防止のため遺体の引き渡しを拒否したが、家族や住民らは診断結果に強く反発した。警察は群衆の排除のため催涙ガスや威嚇射撃を行い、混乱の中で治療用テント2棟が放火された。治療中の患者6人は別の病院へ移送されたが、一部患者の所在が分からなくなっているという。

現在流行しているのは「ブンディブギョ株」と呼ばれる珍しい型で、有効な承認済みワクチンや治療薬がない。世界保健機関(WHO)は感染拡大の速度と規模に強い懸念を示し、国際的に懸念される「公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。感染はイトゥリ州から北キブ州や南キブ州へ広がり、隣国ウガンダでも症例が確認されている。疑い例を含めた感染者数は約600人、死者は150人近くに達した。

コンゴでは過去にもエボラ流行時に医療施設への襲撃が相次いだ。2018~20年にかけてのキブ地方での大流行では、治療センターへの放火や医療従事者への暴行事件が頻発し、WHOによると、数百件規模の攻撃が記録された。長年の紛争や政府への不信感に加え、「外部の支援団体が病気を持ち込んだ」というデマが地域社会に広がり、対策活動への抵抗感を強めてきた。

さらに今回は、欧米諸国による対外援助削減も事態を深刻化させている。支援団体は防護服や検査設備、人員の不足に直面しており、監視体制の弱体化が初動の遅れにつながったとの指摘が出ている。専門家は医療支援だけでなく住民との信頼関係構築が不可欠だとして、「感染対策と地域文化の両立」が封じ込めの鍵になると強調している。

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