◎ベヌエ州は同国を代表する耕作地であり、「ナイジェリアのフードバスケット」と呼ばれている。
2017年2月20日/ナイジェリア北部、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images/AFP通信)

ナイジェリア当局は6日、武装勢力が中部ベヌエ州の集落を襲撃し、住民少なくとも50人を殺害したと発表した。

AP通信によると、武装勢力はベヌエ州郊外の1つの集落を5日に2度襲撃。最初の攻撃で47人、2回目に3人を殺害したという。

ベヌエ州警察の報道官はAPの取材に対し、「テロリストたちは集落内の市場で銃を乱射し、警察官8人と市民数十人を虐殺した」と語った。

報道官によると、犯行声明は出ておらず、武装勢力の正体も不明。

連邦政府は声明で、「中北部地域では水資源と土地をめぐって遊牧民と住民が衝突してきた」と述べている。

住民たちはフラニ族の遊牧民が自分たちの土地に家畜を放牧、荒らしていると非難している。

専門家によると、武装勢力の多くがフラニ族の若者で構成され、放牧を許可しなかった地元住民を襲っているという。

フラニ族は1960年の独立から5年後に施行された法律で放牧の権利が保障されていると主張している。

ベヌエ州は同国を代表する耕作地であり、「ナイジェリアのフードバスケット」と呼ばれている。しかし、この地域を含む中部から北西部の広い範囲では遊牧民と住民の衝突が数十年続いており、争いが収束する見通しは立っていない。

このような衝突が頻発した結果、ベヌエ州の農作物収穫量は年々減少し、多くの住民が貧困と飢えに苦しんでいる。

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