◎ナイジェリアの国営電力会社は西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の決定に基づき、軍事クーデターが起きたニジェールへの送電を停止した。
西アフリカ・ニジェールの砂漠地帯、送電鉄塔(Jerome Delay/AP通信)

ナイジェリアの国営電力会社が隣国ニジェールへの電力供給を停止した。現地メディアが2日に報じた。

それによると、同電力会社は西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の決定に基づき、軍事クーデターが起きたニジェールへの送電を停止したという。

AFP通信は経営陣に近い情報筋の話として、「ナイジェリア(国営電力会社)はニジェールに電力を供給している送電系統を遮断した」と報じている。

ニジェールの大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日に首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。

ナイジェリアのティヌブ(Bola Tinubu)大統領を含むECOWASの首脳はこれを受け、ニジェール軍政への制裁を採択した。

ECOWASは軍政に対し、1週間以内に憲法秩序を回復するよう最後通告を出し、これに加えてエネルギー取引を含むすべての取引を凍結するよう加盟国に求めた。

AFPによると、ナイジェリア国営電力会社はニジェールの電力シェアの70%を占めているという。首都ニアメを含む都市部では停電が常態化しており、ECOWASの決定は状況を悪化させる可能性が高い。

ニジェールはナイジェリア依存から脱却するため、2025年までに初の水力発電ダムを完成させるべく、工事を進めている。

世界で最も貧しい国のひとつであるニジェールは多くの分野で海外パートナーに依存している。

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