◎この貨物船はマルタ船籍で、今月17日にナイジェリアを出港した。
2022年11月29日/スペイン、カナリア諸島、密航者3人(Spain's Maritime Safety and Rescue Society)

スペインの沿岸警備隊は29日、カナリア諸島グラン・カナリア島のラス・パルマス・デ・グラン・カナリアの港に到着した貨物船で密航者3人を発見、救助したと発表した。

当局によると、この貨物船はマルタ船籍で、今月17日にナイジェリアを出港したという。

沿岸警備隊は声明で、「3人は貨物船の舵の上に乗り、カナリア諸島を目指したようだ」と述べている。

当局によると、3人は脱水症状と低体温の症状がみられたものの、命に別状はないという。身元は明らかにされていない。

地元紙は当局者の話を引用し、「3人は島内の医療機関に搬送され、手当てを受けた」と報じている。

船舶の位置情報などを提供するウェブサイト「マリントラフィック(marinetraffic.com)」によると、この貨物船は17日にナイジェリアの最大都市ラゴスを出港し、28日にラス・パルマスの港に到着したという。

カナリア諸島はアフリカ大陸の西に位置する群島で、一番近いモロッコからも直線距離で100km以上離れている。

アフリカ大陸の亡命希望者は主に地中海に面するチュニジアとリビアからイタリアのシチリア島などを目指す。このルートはアフリカ西部ルートに比べるとはるかに安全だからだ。

カナリア諸島への旅は極めて危険だが、密航者が発見されたのは今回が初めてではない。

ナイジェリアの14歳の少年は昨年、ラゴス発の貨物船の舵の上に乗って2週間生き延び、カナリア諸島に到着した。

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