◎イスラム過激派組織ボコ・ハラムは2014年、ボルノ州チボクの学校を襲撃し、12歳~17歳の少女276人を誘拐した。
2016年10月19日/ナイジェリア、北東部ボルノ州、イスラム過激派組織ボコ・ハラムに拉致され、その後解放された女性たち(Getty Images/AFP通信)

ナイジェリア軍は15日、北東部ボルノ州で8年前に誘拐された少女のひとりを発見、保護したと発表した。

イスラム過激派組織ボコ・ハラムは2014年、ボルノ州チボクの学校を襲撃し、12歳~17歳の少女276人を誘拐した。

この事件は世界に衝撃を与え、少女たちの解放を求める世界規模のキャンペーン活動が展開されたが、8年たった今でも100人以上の行方が分かっていない。

ナイジェリア軍は15日のツイートで、「ボルノ州の村の近くで母子を確保した」と明らかにした。

軍の報道官によると、この女性は軍のパトロール部隊に助けを求めてきたという。

報道官は「この女性は2014年にチボクの学校から誘拐された少女の1人と思われる」と説明した。

公式記録によると、拉致された少女276人のうち57人は自力で脱出し、80人は交渉の末解放された。その後、ボコ・ハラムはさらに数人を解放したとみられるが、100人以上が行方不明のままである。

2021年に死亡したボコ・ハラムの司令官が公開したビデオによると、誘拐された少女の多くが組織の戦闘員と強制的に結婚させられたとみられる。

ナイジェリア北部ではこの誘拐事件以降も多くの学校や大学が襲撃を受けている。そのほとんどが身代金目的とみられ、誘拐の過程で殺害された市民は数千人と推定されている。

国連によると、多くの保護者が誘拐を恐れて子供の就学を避けるようになり、国内の児童1850万人以上が教育を受けられずにいるという。

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