◎ナイジェリア北部ザムファラ州のベロ・マタワレ州知事は声明で、女子生徒279人を無事保護したと発表した。
2021年3月2日 AP通信/ナイジェリア、グサウ、解放された女子生徒たち

3月2日、ナイジェリア北部ザムファラ州にある寄宿学校から連れ去られた約300人の女子生徒たちが解放された。

ザムファラ州のベロ・マタワレ州知事は声明で、279人を無事保護したと発表した。

女子生徒たちは2月26日に同州ジャンギーブの寄宿学校を襲撃した身元不明の襲撃者たちに拘束され、森に連れて行かれた。

地方当局者は声明の中で、以前提供した「誘拐された女子生徒の数は317人」という情報は正確ではなかったと述べた。当局者はロイター通信の取材に対し、「この不一致は事件が発生した直後に逃亡できた少女がいたためです」と語った。

報道によると、政府当局者は誘拐犯との解放交渉に成功したという。なお、身代金の支払い有無および、誘拐犯が逮捕されたかどうかは明らかにされていない。

ナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領は解放のニュースを歓迎し、「無事保護できたことを嬉しく思います」と語った。

ムハンマド・ブハリ大統領:
「私はつらい経験をした女子学生の解放をザムファラ州の家族や個人と祝います。誘拐事件は犠牲者だけでなく、家族や関係者にとっても悲惨な経験です」

「私たちは同様の事件を防ぐために警戒を強化します。軍と警察は誘拐犯を追い詰めるでしょう。そして、身代金を支払うという方針は新たな誘拐事件につながると信じています。身代金を支払えば、誘拐犯たちは同じような事件を起こし続けるでしょう」

先週、ブハリ大統領は、過去の誘拐事件で誘拐犯に身代金として「現金と車」を渡していたと認め、方針を見直すよう州政府に促していた

女子生徒たちはグサウの政府庁舎に移送され、政府当局者から今後の措置について話しを聞いたと伝えられている。当局者は現地メディアの取材に対し、「彼女たちは適切な治療を受けたのち、家族と再会できる」と語った。

2021年3月2日 AP通信/ナイジェリア、ジャンギーブ、解放された女子生徒のひとり

AP通信の取材に応じた少女が事件発生当時の様子を語った。

「突然銃声が聞こえ始めたとき、私たちは寝ていました。私がベッドから出ると、同級生たちは走って逃げるべきだ、彼らは泥棒だと言いました。誰もが逃げ出し、部屋に残ったのは2人だけでした」

「彼ら(誘拐犯)は私たちを撃つことを恐れていました。彼らは歩くスピードが遅い人を殴りました。しかし、疲れて動けなくなった生徒を殴った人は泣いていました」

別の少女はBBCニュースに、「ケガの影響で歩き続けることが難しい人もいました」と語っている。

「彼らは歩き続けないと撃つと言いました。私たちは川を歩いて渡り、その後、森の低木の下で睡眠を取ることができました。一部の生徒は石やとげの中を歩くことに苦労し、泣いていました」

ナイジェリアでは学生の誘拐事件が多発している。

2月17日に連れ去られた学生24人、教師6人、関係者8人は2月27日に解放された。

昨年12月には北西部カンカラの中学校から学生300人が連れ去られたが、その後解放されている。

2014年4月、イスラム過激派組織ボコ・ハラムは、ボルノ州チボタで女子生徒276人を誘拐した。276人のうち、100人以上が行方不明のままである。ボコ・ハラムは西洋の教育に反対している。

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