◎ナイジェリア空軍の報道官によると、戦闘機は18日に地元で「盗賊」と呼ばれている組織の地上攻撃を受け墜落したという。
2020年5月/ナイジェリア空軍の戦闘機(Getty Images/AFP通信)

ナイジェリア空軍の報道官は19日、北部地域に潜伏している反政府武装勢力が戦闘機を撃墜したと発表した。

報道官によると、戦闘機は18日に「盗賊」と呼ばれている組織の地上攻撃を受け墜落したという。パイロットは墜落前に脱出し無事だった。

報道官は記者団に対し、「パイロットは盗賊の追跡をかわし、墜落地点近くの集落に身を隠した」と述べた。

攻撃は北部ザムファラ州とカドゥナ州の州境付近で発生した。

地元で「盗賊」と呼ばれている反政府武装勢力は、北部地域の複数の誘拐事件に関与したと伝えられている。

ムハンマド・ブハリ大統領は先日、軍に北部のカツィナ州、ザムファラ州、カドゥナ州の組織を一掃するよう命じた。

報道官は声明の中で、「空軍は地上部隊と協力して、当該地域に潜伏している盗賊とその隠れ家を一掃する作戦を開始した」と述べた。撃墜された戦闘機は偵察部隊だった。

地元メディアによると、空軍は作戦の中で組織の戦闘員数百人を無力化し、いくつかの隠れ家を破壊したという。

ナイジェリア軍は5月、陸軍幕僚のイブラヒム・アッタヒル中将を含む10人の将校を乗せた軍用機の墜落事故に見舞われた。4月には北部ボルノ州で戦闘機が墜落した。ボルノ州はイスラム過激派組織ボコ・ハラムが最も活発に活動している地域で、地元メディアは「戦闘機は撃墜された可能性がある」と報じたが、軍はこの報道を否定した。

2月には北部で誘拐された学生を捜索するためにニジェール州に向かっていた軍用機が墜落し、搭乗していた7人全員が死亡した。

ナイジェリアはアメリカからA-29スーパーツカノ軽攻撃機12機を4億9,600万ドル(約520億円)で調達しており、今月6機が納品される予定。

ボコ・ハラムは2014年にボルノ州の中等学校を襲撃し、女子生徒276人を誘拐した。生徒の大半は今も行方不明のままである。

ナイジェリアでは昨年12月以来、1,000人以上の学生が誘拐され、そのうち9人が死亡し、200人以上が行方不明のままで、最年少の被害者は3歳と伝えられている。

2021年7月6日/ナイジェリア、北部カドゥナ州、誘拐された学生の保護者たち(AP通信)
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