◎リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。
2017年2月3日/リビア北部の地中海(Getty Images/AFP通信)

国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」が運営する捜索救助船が北アフリカ・リビア沖で移民258人を救助した。現地メディアが6日に報じた。

それによると、捜索救助船ジオ・バレンツ号は6日早朝、2回に分けて中東・アフリカ系移民258人を救助したという。

移民たちは木造船の甲板下に押し込められていた。

MSFは公式ホームページに声明を掲載。救助したシリア人男性の証言を引用し、「ボートは数時間前にリビアを出港した」と説明した。

MSFの報道官はAP通信の取材に対し、「イタリア海軍と連絡を取り、救助した移民を現在地から400キロほど離れたナポリ近郊の港に運ぶよう求められた」と語った。

移民たちがどこを目指していたかは明らかになっていないが、恐らくイタリアかギリシャへの亡命を希望していたものとみられる。

MSFは最近、イタリアを含む欧州諸国の不寛容な政策が毎年何千人もの移民を死に追いやっていると非難していた。

リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。

同国で活動する人身売買組織は不安定な情勢を利用して多くの利益を上げているとみられ、エジプト、アルジェリア、スーダンなど、少なくとも6カ国から国境を越えて移民を移送している。

イタリア内務省の統計によると、10月6日時点で同国に到着した移民は13万6000人近くに達したという。昨年は10月時点で7万2000人だった。

イタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相は急増する移民に対処する「特別な措置」を講じると宣言している。

スペインのグラナダで開催されている協力促進フォーラム「欧州政治共同体(EPC)」の首脳会議では移民問題が主要議題のひとつになっている。イタリア政府は地中海を渡る移民が急増しているとして、EUの同盟国にさらなる支援を求めている。

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