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モロッコ政府、スペイン領セウタとメリリャの国境警備を強化

背景には、7月末に発生した大規模な移民流入がある。
2026年7月30日/スペイン領セウタに到着した移民たち(Getty Images/AFP通信)

アフリカ北部・モロッコ政府がスペイン領セウタとメリリャの国境警備を大幅に強化している。SNS上で国境越えを呼びかける動きが再び広がっているためで、モロッコ内務省は警備要員や機動隊、放水車、救急車などを配置し、越境に備えている。

背景には、7月末に発生した大規模な移民流入がある。当時、経済的困窮や「国境が開放された」とする誤情報などを背景に、約7万2000人がセウタへの越境を試み、大半はモロッコ側に戻ったものの、一連の混乱で少なくとも80人が死亡した。

SNS上では8日にセウタへ、さらにメリリャへも集団で越境するよう呼びかける投稿が確認された。モロッコ当局は違法越境をオンラインで扇動した疑いのある人物を逮捕したうえで、催涙ガスやスタングレネードの使用も想定して警備態勢を整えている。

スペイン側も警戒を強めている。スペインの治安当局は「国境は閉鎖されたままである」と強調、国防省は新たな大規模越境をスペインの主権に対する攻撃とみなす姿勢を示した。さらに、両都市の主権をめぐってはモロッコ側から領有権を主張する発言も出ており、移民問題が両国間の外交・安全保障問題に発展する可能性もある。

セウタとメリリャはアフリカ大陸にありながらスペイン領で、欧州連合(EU)とアフリカを陸路で結ぶ特殊な位置にある。そのため、大規模な越境が発生すれば、モロッコとスペインだけでなく、EU全体の移民政策や国境管理にも影響を及ぼす。

今回の警備強化は7月の危機を繰り返さないための緊急対応であると同時に、SNSによる誤情報や集団動員が国境管理を不安定化させることを浮き彫りにした。

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