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コンゴ・エボラ流行、医療従事者75人が感染、うち17人死亡=WHO

WHOは声明で、医療従事者の感染拡大が「すでに不足している医療資源をさらに圧迫している」と警告した。
2026年5月20日/コンゴ民主共和国、北東部イトゥリ州ブニアの医療センター(ロイター通信)

コンゴ民主共和国東部で拡大する「エボラ出血熱」の流行により、医療従事者の感染が深刻化している。世界保健機関(WHO)は19日、5月中旬に流行が公式確認されて以降、少なくとも75人の医療従事者が感染し、このうち17人が死亡したと明らかにした。感染拡大の最前線に立つ医療関係者への被害が相次いでおり、脆弱な医療体制への打撃が懸念されている。

今回の流行は北東部イトゥリ州を中心に広がっている。WHOによると、ウイルスは正式な流行宣言が出される数カ月前から地域社会で拡散していた可能性が高い。初期段階ではエボラ感染症との認識が十分でなく、多くの医療従事者がマスクや手袋などの防護具を使用しないまま患者の診療に当たっていた。その結果、病院や診療所が感染拡大の温床となり、多数の医療関係者が感染したとみられている。

WHOは声明で、医療従事者の感染拡大が「すでに不足している医療資源をさらに圧迫している」と警告した。コンゴでは人口1万人当たりの医療従事者数が約11人にとどまり、世界的に見ても医療人材が不足している。こうした状況下で現場の医師や看護師が相次いで離脱すれば、エボラ以外の疾病への対応能力も低下しかねない。

流行も拡大を続けている。コンゴ政府の最新集計では、確定症例数が900人近くに達し、死者は200人を超えた。感染はイトゥリ州だけでなく北キブ州や南キブ州にも広がり、新たな保健区域でも患者が確認されている。保健当局は地域内で継続的な市中感染が起きているとの認識を示している。

さらに、紛争や避難民問題も封じ込めを難しくしている。東部地域には多数の避難民キャンプが存在し、衛生環境の悪化や医療サービス不足が感染拡大を助長している。イトゥリ州の避難民キャンプでは5月以降に多数の死亡例が報告され、当局がエボラとの関連を調査している。住民の一部には検査や隔離措置への不信感も根強く、感染経路の追跡が難航している。

国際社会も支援を強化している。中国やウガンダは医療チームを派遣、WHOは防護具や医薬品の供給に加え、感染への恐怖や同僚の死による精神的負担を抱える医療従事者への心理支援も実施している。一方で、今回流行している「ブンディブギョ株」には有効性が確立されたワクチンや治療薬がなく、対応は容易ではない。専門家の間では、このまま封じ込めに失敗すれば過去最大級の流行に発展する可能性もあるとの警戒感が高まっている。

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