◎メリリャはアフリカ大陸北西部に位置するスペインの都市で、1995年に自治権を与えられた。
2022年3月8日/スペイン、自治都市メリリャとモロッコの国境フェンスを乗り越える人々(Getty Images/ロイター通信)

スペイン政府は8日、約1,000人の移民希望者がモロッコとスペインの自治都市メリリャの国境フェンスを乗り越えようとしたが、国境警備隊に撃退されたと明らかにした。

メリリャはアフリカ大陸北西部に位置するスペインの都市で、1995年に自治権を与えられた。報道によると、メリリャではこの1週間で800人以上の移民希望者が高さ6mの国境フェンスを乗り越え、入国に成功した。

メリリャのスペイン政府代表は8日の記者会見で、「移民希望者はスペイン領内に入る前にモロッコの国境警備隊に止められた」と述べた。「メリリャの警備隊もフェンスの反対側で待機していましたが、出番はありませんでした」

一度国境を越えた人を押し戻すことは国連の難民条約で定められている「亡命申請」の機会を奪う違法行為である。3月2日から4日の間にフェンスを乗り越えようとした人の数は2,500人に達したと伝えられている。

国境フェンスは3重になっているため、国境警備隊の取り締まりをかわすことは難しく、しばしば暴力に発展する。4日に入国を試みた数百人の集団は勢いで警備隊を圧倒した。

移民希望者の多くはサハラ以南の住民で、スペイン本土や欧州への移住を望んでおり、メリリャの西約400kmに位置するスペイン領セウタでも同様の事件が頻発している。ただし、セウタの国境警備はメリリャより厳しく、成功率は低いようである。

スペインとモロッコ政府は移民対策で良好な関係を維持していたが、モロッコで戦争犯罪人とみなされているサハラ砂漠独立運動ポリサリオ戦線の指導者ブラヒム・ガーリ氏が人道的理由でスペインの病院に入院して以来、両国の関係は緊張している。

2022年3月3日/モロッコ、スペインの自治都市メリリャとモロッコの国境付近(Javier Bernardo/AP通信)
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