◎フランス主導のアフリカ連合軍は2012年からサヘル地域で活動するアルカイダやイスラム国(ISIS)関連のジハード組織と戦っている。
2016年/マリ共和国、北部のサヘル地域、イスラム過激派組織の戦闘員(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

マリの国連平和維持ミッションは7日、中部地域をパトロールしていた部隊が爆弾攻撃に遭い、国連平和維持軍の兵士2人とマリ軍の兵士2人が死亡したと発表した。

またマリ軍は北部地域でもイスラム過激派組織の攻撃を受け、兵士少なくとも2人が死亡、2人が重傷を負ったと報告している。

数日前にはマリ中部モンドロの軍事キャンプが襲撃を受け、兵士少なくとも27人が死亡、数人が負傷した。

国連のドゥジャリク報道官は7日の記者会見で、「部隊は北部の町に向かう途中で即席爆発装置に遭遇した」と述べた。報道官によると、死亡した平和維持軍の兵士2人はエジプト出身とのこと。

国連は攻撃を非難し、マリ当局に犯人を特定するための努力を惜しまないよう求めるとともに、国連平和維持要員への攻撃は戦争犯罪になりうると警告した。

マリ北部のサヘル地域とその周辺ではフランス軍の撤退が決まって以降、暴力が急増している。フランスは先月、マリから部隊を撤退させると発表した。

一部の専門家は仏軍の撤退に懸念を表明し、ジハード組織が領土を取り戻す可能性があると指摘している。

フランス主導のアフリカ連合軍は2012年からサヘル地域で活動するアルカイダやイスラム国(ISIS)関連のジハード組織と戦っている。犠牲者は民間人込みで数千人、約150万人が避難民になったと推定されている。

フランスがこの地域に軍事介入したのは2013年で、マリ北部からジハード組織を追い出す作戦を主導した。しかし、ジハード組織は作戦終了以降もマリ軍と国連平和維持軍に数多くの攻撃をしかけ、その勢いはマリ中心部にまで広がっている。

マリの暫定政府を率いるアシミ・ゴイタ大佐はこの1年半の間に2回軍事クーデターを主導し、大統領選挙を2026年まで延期し、フランスを含む関係国との緊張を高めている。

2021年5月26日/マリ、首都バマコ、暫定大統領に就任したアシミ・ゴイタ大佐(Getty Images/AFP通信)
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