◎ケニアは世界有数の紅茶輸出国であり、業界で働く労働者は非正規も含めると数百万人にのぼる。
ケニア、茶葉を摘む女性たち(Getty Images)

ケニアに拠点を置く大手ティーブランドカンパニー「エカテラ」は23日、同社の設備機器がデモ隊に焼き払われたため、操業を一時停止すると発表した。

それによると、茶摘みなどの機械化に反対する非正規労働者が機器に火を放ったという。

ケニア紅茶生産者協会(KTG)は23日の声明で放火を非難。「国内の全ての紅茶生産者の安全が確立されるまで、操業を縮小する」と発表した。

これまで茶摘みに従事していた非正規労働者は22日、機械化を推進するエカテラ社に抗議するデモを開始した。

デモの主催者は22日に放送された地元メディアのインタビューで、「機械は上質な茶葉を見極められず、摘み取り工程が自動化された結果、従業員の負担が増し、茶葉にも悪影響が出ている」と語った。

エカテラ社によると、デモ隊は数十万ドル相当の機械5台を焼き払い、同社の店舗のひとつから茶製品を略奪したという。

KTGは他の農園でも地元住民が機械化に抗議し、様々な攻撃を行っていると報告。ルト(William Ruto)大統領に介入するよう訴えている。

KTGによると、エカテラ社はこの放火事件で5000万ケニアシリング(約5000万円)相当の資産を失ったという。また操業停止による損失額は1億2000万ケニアシリングにのぼると報告した。

エカテラ社はこの7ヶ月間で15台の機械を放火で失っている。

ケニアは世界有数の紅茶輸出国であり、業界で働く労働者は非正規も含めると数百万人にのぼる。

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