◎肥料の価格はロシア・ウクライナ戦争の影響で高騰しており、開発途上国では特に入手が困難になっている。
人間の尿(ZME Science)

コンゴ民主共和国東部の北キヴ州で人間の尿を有機肥料として利用する取り組みが行われている。

地元メディアによると、農業は同州の主要産業のひとつだが、耕作できる土地が少なく、なかなか収穫量を増やせずにいたという。

野菜や豆類の需要はロシア・ウクライナ戦争の影響で急速に高まり、同州の州都ゴーマでは食料価格が高騰し、社会問題になっている。

ゴーマの郊外にあるシャシャ村では、作物の収穫量を増やす取り組みが進められており、注目を集めている。

シャシャ村の農民であるポール氏は隣人や村の住民から尿を購入し、有機肥料として利用する取り組みを始めた。

ポール氏はアフリカニュースの取材に対し、「1ヶ月間熟成させた尿は作物を枯らす害虫を駆除します」と説明した。「害虫を駆除した畑に種をまき、再び熟成尿を散布します。熟成尿を散布した畑の生産量は劇的に増加しました」

熟成尿の作り方は企業秘密とのこと。

アフリカニュースによると、熟成尿を散布した他の農家も収穫量の増加を報告したという。

ポール氏の取り組みに協力しているルピヤ氏は乾燥豆を育てている。

ルピヤ氏はアフリカニュースに、「私の収穫量は倍以上になりました」と語った。「前々回の収穫量は1袋でしたが、熟成尿を使った結果、2袋半収穫できました...」

ポール氏の取り組みはシャシャ村全体に広がり、多くの若者が尿の取引に参加するようになった。相場は20リットルで1万2000コンゴフラン(約800円)。

尿を販売しているカヒンド氏は、「啓発団体の紹介で熟成尿の存在を知った」と語った。「ポール氏は1万2000コンゴフランで尿20リットルを買い取ってくれます。私たちの尿が作物を育て、その作物が村に利益をもたらすのです」

肥料の価格はロシア・ウクライナ戦争の影響で高騰しており、開発途上国では特に入手が困難になっている。ポール氏によると、熟成尿を求める農家は増え続けており、需要に対応できない可能性もあるという。

国際貿易局(ITA)によると、コンゴ民主共和国の労働者の60%以上が農業に従事している。

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